2011年入賞作品

最優秀賞 (1名)

車川 浩司さん

Nikon D90
Nikon AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)
ISO200 1/1250 f4.5 -1.0補正
WB : 曇天
補正 : Nikon NX2
撮影場所 : 臨時駐車場

伊藤久巳

写真は光が支配します。画面はバランスが支配します。747LCF の特徴あるディテールを空のオレンジ色が見事に浮かび上がらせました。けっして長く続かないこの瞬間、機体を置く場所、切り取り方の直感的な計算が光ります。

ルーク・オザワ

美しいですね。文句なしの最優秀賞に輝いた作品です。夕方の残照という自然が織りなす瞬間を見事に捉えています。かつて見たことのないLCF のフォルムで、画面構成も言うことありません。お見事!

チャーリィ古庄

B747LCF の応募作品が多数ある中で、ひと際目を引き全員一致で「コレ」と決まったほど力がありました。露出を切りつめ、LCF のカタチを上手に引き出し、思い切って翼端を切ったアングルも見事です。

優秀賞 (2名)

延原 真さん

Nikon D3X
Nikon AF-S NIKKOR 200-400mm f/4G ED VR II
ISO100 1/30 f16
WB : オート、ND4フィルター使用
補正 : Nikon Capture NX2 RAW撮影データに、彩度、シャープネス、コントラストなどを補正
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

スローシャッターが機体の躍動感を強調しています。本来なら背後のVOR/DME(航空無線標識)が少しうるさいのですが、大きく流れたおかげでかえって空港らしいストラクチャーとしてプラスに働いています。

ルーク・オザワ

兵庫在住にもかかわらず、すっかりセントレアフォトコンの常連になりましたね。スカイデッキの先端は滑走路に対して平行ではなく、さらにワイヤーフェンスのストレスをもクリアーにして流した技術は素晴らしいです。

チャーリィ古庄

日中の流し撮りはシャッター速度が下がりにくいため難しいですが、お見事です。さらに背景が緑と茶色の芝、青の海とカラフルな点、そして午前中の光線で正面から光が当たる南風の離陸とコンディションも抜群です。

鈴木 智子さん

Nikon D3S
Nikon AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)
ISO500 1/15秒 f2.8
WB : オート
補正 : Nikon Capture NX2にて現像。Photoshopでサイズ加工。色微調整後、銀塩プリント出力
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

夕闇迫り、刻一刻と変える空の表情をよく観察していました。777-300ERがブロックインするころ、雲の表情、管制塔、ターミナルの灯り、エプロン灯に照らされた機体群が最高のハーモニーを演出しました。

ルーク・オザワ

何気ない薄暮時のスカイデッキからのショットなのですが、作者の鈴木さんは管制塔のバックにある積乱雲を見逃さなかったですね!手前の照明等の露出とバックの雲との露出が合った瞬間をうまく捉えた作品です。夏の夜を感じます。

チャーリィ古庄

日が沈んだ後のブルーモーメントの中ターミナルと管制塔を入れセントレアらしさを表現、 さらに絶妙な色合いに引き込まれました。それだけでも魅力的なのに、空に浮かぶ入道雲、タイミング、構図露出どれに完璧です。

特別賞 (3名)

田中 勝志さん

Canon EOS 5D MarkII
PENTAX A645 600mm F5.6ED(IF)アダプター使用
ISO200 1/1000 f8.0
WB : 曇り
補正 : なし
撮影場所 : みたけ公園展望台

伊藤久巳

夕陽に照らされた伊勢湾に浮かぶセントレアを対岸の高いポジションから狙う作戦が奏功、そこをまんまとA340-600が離陸していきます。光る海、それを揺らしてしまうほどのエンジンブラストが非常に印象的です。

ルーク・オザワ

地元には敵わないと思わされたのが、まさにこの作品ですね。作者もかなり通ったとあります。しかし通っただけでは撮れないのがヒコーキ写真。時には運も味方につけないとこのように電車も絡めることは不可能でしょう。素敵です。

チャーリィ古庄

シルエットの作品や対岸からの作品は多々ある中で、シルエット&列車との絡みという撮影者の苦労が伝わる点が評価できます。露出、色合いともに言う事ありません。画面のバランスと海の輝きも美しいです。

千達 哲史さん

Nikon D700
APO 120-300mm F2.8 EX DG HSM
ISO400 1/1000 f13
WB : 自動
補正 : Nikon Capture NX2。2段階のヒストグラムを表示しトーンカーブで純黒と純白が存在するように調整。コントロールポイントで機体、雲、空の色とコントラストを調整。W4切のサイズにトリミング
撮影場所 : RWY18のアプローチライト付近の海上

伊藤久巳

A330 の伸びやかな主翼を画面一杯に表現した気持ちのいい作品です。ここしかないというポイントに管制塔を置きました。揺れる船上からの撮影は、波が低くても画面の構築が大変だったことでしょう。

ルーク・オザワ

船からショットですね!視程も良く空も味方につけることで、美しい仕上げになりました。テトラポットとフェンスがなにげにワンポイントになっています。揺れる中、水平も取れていますし、停留場所もビンゴでしたね!

チャーリィ古庄

海から撮影するという新鮮なアングルに目を奪われました。そして管制塔と無数のテトラポットで海上空港らしさを表現、背景の空がキレイで順光というのもポイント大です。船上なのに水平もしっかり出ています。

磯貝 金彦さん

Nikon D3
AF 80-200mm
ISO200 8 f9 -1段
WB : オート
補正 : NikonキャプチャーNX2にて現像し、Photoshopでサイズ加工。色微調整後、銀塩プリント出力
撮影場所 : 臨時駐車場

伊藤久巳

暗い夜、エプロン灯に浮かび上がった747LCF を見逃しませんでした。あえて機体をアップに捉えるのではなく、この時この場所の空気感を十分に写し込みました。暗い中、フェンスもそれほど邪魔ではありません。

ルーク・オザワ

漆黒の夜になる前のわずかな時間帯である薄暮がこの作品の美しさを高めています。照明の光もきれいに回りたたずむLCF からなんとも言えない寂しささえ感じ取れます。

チャーリィ古庄

ブルーの世界の中に輝くLCF、なんと早朝にわざわざ撮影に出かけてい るという努力の結果が出ています。あえてフェンス、駐車場のライン、照明灯など邪魔と思えるものも、この色の雰囲気に溶け込んでしまっています。

セントレア賞 (6名)

新海 徳榮さん

Nikon D300
Nikon AF-S VR Zoom-nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)
ISO200 1-1000 f6.3
WB : オート
補正 : なし
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

VOR 横の撮影用特設ステージの前を千両役者の747 が通りすぎます。機体すべてを入れるのではなく、特設ステージに対して機首だけを切り取ってみせることで、説明写真から「作品」へと昇華しました。

ルーク・オザワ

滑走中のB747 をツアー見学中の方たちと絡める発想は好いですね!滑走中とはいえ、すでに時速は200 キロを超えています。見学者とカブらずピタリと写し止めた作者の力量が感じ取れます。バックに走る船もワンポイントで効いてますね。

チャーリィ古庄

まさにセントレアの特徴を表現。空港見学ツアー、海上空港らしく後ろに船が通り位置も良く、視程も良く対岸の三重県まで見渡せるというコンディションの中、迫力ある747 を入れ社名の部分で切り取る構図がお見事です。

牧野 精一さん

Nikon D3s
Nikon M-F 600mm
ISO400 1/800 f11.1 -0.3段
WB : 晴天
補正 : Nikon CaptureNX2にて現像。Photoshopでサイズ加工。色微調整後、銀塩プリント出力 

伊藤久巳

機体全体を海面に抜いてた点がとてもいいです。いくらランウェイに近いスカイデッキといえども、小さな機体のCRJ の離陸をアップで撮るのは大変です。背景のほどよい位置に貨物船が入り、単調な背景を引き締めました。

ルーク・オザワ

セントレアを知り尽くしていますね!スカイデッキから見える海の幅は意外と狭く、これが中型機や大型機になると、どうしても機体の一部がはみ出てしまうんです。それを知った上でCRJ を狙うところが流石です。

チャーリィ古庄

オレンジ色に染まる背景を活かしながら機体のカラーリングも出すという露出が評価できます。後処理よりも撮影時にきちっと適正露出にしているため、ノイズも見られずキレイな画面になっています。

井口 博正さん

Canon EOS-1D MarkIV
Canon EF500mm F4L IS USM
ISO100 1/400 f8
WB : 太陽光
補正 : Canon DPPによりホワイトバランス、明るさ、コントラスト、色の濃さ等を補正
撮影場所 : 飛行機の見える丘公園

伊藤久巳

「キミの翼、この前オレがここセントレアから運んだんだよね」「ボクもここに戻ってこれてうれしいよ」。陰になった787のディテールが、陽の当たる747LCFのボディに浮かび上がりました。

ルーク・オザワ

B787 とLCF とのツーショット作品は多くありましたが、作者の井口さんの切り取りが秀でていました。限られた場所やアングルでも、B787の特徴でもある流線型のノーズがきれいに表現できています。

チャーリィ古庄

記念すべき日の一枚。多数の応募がありましたが、証拠写真&両機のカタチを活かした点が他の作品とは異なりました。787 の特徴的な顔、対するLCF の改造された丸み。フェンスを無視したことを考えても目にとまるカットです。

三好 秀樹さん

SONY DSLR-A700(α700)
SONY 70-400mm F4.0-5.6 G SSM
ISO200 1/400 f5.6
WB : オート
補正 : DxOOptics Pro v6にて、レベル調整で機体以外を塗りつぶし、トーンカーブで機体ディテールを調整。トリミング、現像
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

見えた時の印象を画像処理によって再現、ボーイング787 のディテールを空からの反射だけで表現しました。たったの一回しかなかったセントレアへの787 来訪ですが、ワンチャンスを見事にモノにしました。

ルーク・オザワ

7月に一度だけ飛来したB787 を見事に正面から捉えることに成功しましたね。自分の立ち位置で来た機体を捉えるのではなく、たった一度だけのB787 がどこを通るかも賭けだったのでしょう。モノトーン仕上げがインパクト大です。

チャーリィ古庄

キラリと輝く部分だけを残しモノトーンで仕上げた作者のアイデアと、作品に仕上げるための技術力の勝利でしょう。最優秀作品とアングルは似ていますがイメージは異なりますしプリントも美しくまとまっています。

嶺澤 宏和さん

Canon EOS 7D
Canon EF70-200mm F2.8LIS II USM
ISO100 1/800 f8.0
WB : 太陽光
補正 : なし
撮影場所 : スカイデッキ先端

伊藤久巳

夏の積雲系の雲々を画面一杯に取り入れ、747 の離陸を端正にまとめました。ひねることのないストレートな表現方法がかえって新鮮です。機体の前後の空きスペースは画面の重心を考えた見事なものです。

ルーク・オザワ

ドンピシャの位置でエアボーンしましたね!陸地、伊勢湾そして夏雲のバランスが整ったところにB747、まさに絵に書いたような構図です。さらにB747 が力強い迫力ではなく優雅に舞い上がった感じが受け取れます。

チャーリィ古庄

彩度を上げすぎなのか、機体の色と芝生の色が強く出すぎて不自然な感じは気になりますが、パッと見て素直にキレイと言える作品です。青い海と空、夏らしい季節感も表現されカレンダーにはピッタリです。

近藤 卓志さん

Canon EOS-1D MarkIV
Canon EF500mm F4L IS USM+×1.4EX
ISO400 1/4000 f11
WB : 太陽光
補正 : Canon DPPでトーンカーブ調整、Photoshopでトリミング
撮影場所 : りんくう緑地

伊藤久巳

沈みゆく夕陽を737 が見事に横断しました。太陽付近ではその反射がエンジンブラストに入りますから、太陽の位置は機体の後方でなければなりません。幸運もさることながら、本当に交差した際の対処が完璧でした。

ルーク・オザワ

作者の近藤さんは夕日との絡みに3 年かかったとあります。それほどこのシーンはタイミングと運が必要なんです。ど真ん中を突き抜けるより僕はこの下を抜けた方がブラストも効いていて良かったと思います。さらなる絡みを狙ってください。

チャーリィ古庄

「何度もチャレンジした」と撮影者のコメントがありましたが、太陽を横切る機体、エンジンブラスト、雲の表情、簡単に撮れるカットではありません。夕日の露出は極めて難しいですが、尾翼もしっかり出ています。

総 評

伊藤久巳

何が凄いのか。それは応募作品のすべてが「セントレアの魅力」について熟考されていることだ。今回で6回目となるセントレアカレンダー用のフォトコンテストだが、審査員カメラマン諸氏の心を動かすというのは、作者がいかに素晴らしく撮影回数を重ねたかの証明でもある。今回も応募いただいた作品群が並ぶと、そこにはピーンと張りつめた緊張感が審査テーブル上に出現した。 審査の突破は審査する者を驚かすことが早道だ。写真は結果勝負なので、何をどう撮ろうと、驚かせた作品が勝つ。手段は機体でも、天候でも、撮影場所でも、アングルでも、撮影時刻でも何でもいい。その点、今回もっとも我々を驚かせたのは最優秀作品の車川さんの作品だった。審査員3 名の誰もがうなった。 いっとき、余りにも多かったシルエットや夜間撮影に対し、飛行機写真の基本である「晴天順光」が再び増加傾向に向かっていることも嬉しい。12か月分12 作品の構成では、晴天順光がまず絶対に外せないことを、常に頭に入れておいていただきたい。それから、機体をむさぼるようにガツガツとアップにしてしまう肉食系アングルも、まだまだ余地があることを要望させていただこう。 とにもかくにも、今年もまた多くの秀作にお目にかかれたことをご応募いただいた皆さまに感謝致します。ありがとうございました。

ルーク・オザワ

今年もまたたくさんの応募ありがとうございました。いつもながら皆様の関心の高さには敬服いたします。そして何より回を増すごとにレベルが向上していることを、大変嬉しく思います。カレンダーのためのフォトコンテストは一種、特殊です。一般のフォトコンテストでしたら、アイデアを取り入れることは一つのポイントになりますが、ことカレンダーとなると撮影技術以上に自然相手の季節感や色の再現が重要なポイントになります。その瞬間を求め、皆さん足繁くセントレアに通ったことを痛感いたしました。 一瞬のタイミングも逃さず捉えたシーンもたくさんありましたが、同じようなシーンではどうしてもそこで秀でる作品を選ばざるをえません。選考は今年もまた、かなり激戦でしたが私を含めた3人の選者とも、車川さんの最優秀賞は文句なく決まりました。そこには色、ヒコーキの美しいフォルム、被写体がLCFということでセントレアらしさが表現さて、作者の思いが伝わってくる作品でした。次年度もさらなる秀作を期待します。

チャーリィ古庄

相変わらずハイレベル。海上空港という制約の厳しい中で、時間、場所、天候などを工夫して作品に仕上げている力量には頭が下がる。また今年の作品は日中の美しい作品が多数集まった点も好感が持てた。日中キレイな作品を撮るのは意外と難しいのだが、応募者のレベルが上がっており、しっかりと作品に仕上げていてカレンダーカットとして使えるレベルのものが多数送られてきたのにも感心した。 しかし残念な点として、最初に写真を見た段階で審査から外されてしまう作品が多いのも事実。その理由は大きく分けて二つあり、一つは露出が合っておらず、後処理でごまかしているため、空に偽色が出たり、作品にノイズが見られる。もう一つは無理な画像処理、必要以上に後処理をし過ぎて色が崩壊しているものが多々あった。デジタルは後処理ができるが、撮影時の設定が良くないと無理な後処理になってしまうので、きっちり露出、カメラ設定を行なって、次回の入選を目ざして欲しい。

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