2013年入賞作品

最優秀賞 (1名)

相原 一郎さん

Nicon D3S
Nicon AF-S Nikkor 200-400mm f/4G ED VR II
ISO200 1/640 f4
WB : オート
補正 : Nicon Capture NX2でレタッチ
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

もちろん撮影後の画像処理まできちんと行った勝利なのだが、相原さんは撮影する時に空気の「色」を実にきちんと認識していた。太陽の反射に対する期待の位置、前後の空きの比率もベストで、一見斜めの線が無いが、対角線表現が完成されている。

ルーク・オザワ

スカイデッキの先端からは照明灯やVORといった施設があるにも関わらず太陽の位置関係が絶妙で、すっきりと切り取りました。肉眼で見るといったいどんな状況だったのか想像できませんが、ここに写真力を感じました。素晴らしいです。

チャーリィ古庄

雨上がりの夕日というのはフォトジェニックになる瞬間ですが、そんな日に輝く海と滑走路、シャドー部のデティールを出した機体を上手にコラボレーションさせています。夕日の応募作品は数多くありますが、美しさはダントツ。機体を配慮した位置も的確で落ち着いた画面構成になっています。

優秀賞 (2名)

車川 浩司さん

Nikon D4
Nikon AF-S Nikkor 600mm f/4G ED VR
ISO200 1/3000 f4
WB : 晴天日陰
補正 : -
撮影場所 : 臨時駐車場

伊藤久巳

作品はコンテありき。これはコンテの勝利だ。タキシーウェイを読んで撮影に臨んだことだろう。ノーズが切れた瞬間、手前の747LCFとシルエットによる見事な対比が完成した。切れたノーズは手前の機体が語ってくれている。

ルーク・オザワ

夕日とLCFを撮らせたら車川さんの右に出る者はいない。そんな構図が数年前から出来上がってしまうほど憎いです。影武者を思わせるこの構図。立ち位置に制限がある中、光と影をうまく利用しましたね。お見事です。

チャーリィ古庄

LCF2機並びの作品もいくつかありましたが、選ばれた理由は後の機体が影武者のように見えるアングルで撮影され、ストーリーが感じられる点でした。奥の機体ノーズが切れていますが、切ったからこそ手前の機体に写る夕日が引き立つ作品です。

鈴木 智子さん

Nikon D3S
Tokina AT-X 08-70mm f/2.8
ISO200 (約0.3段階減感) f7.1 多重露光
WB : 色温度2780K
補正 : Nikon CaptureNX2にて現像。Photoshopでサイズ加工。色微調整後、銀塩プリント出力
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

撮影時の被写体を一番よく認識するのは、撮る人の眼であり心だ。湿気を含んだ空気に実に綺麗に開いた花火の表現に、鈴木さんはアウトフォーカスという技法を用いて空気感を伝える。卓越した技術がそれを可能にした。

ルーク・オザワ

例年通り今年も花火は何点か応募がありました。基本的にはスカイデッキからの構図は決まってしまうのですが多重露光での表現はとても新鮮でした。選んだ花火も良くメルヘンチックに構成されています。和みました。

チャーリィ古庄

さすがベテランの技。多重露光で二枚目のピントをぼかすというひねった業が光っています。アイデアを美しく結果にする。経験があり、セントレアの写真を研究している業が見ている人に伝わる作品でありながら季節感も表現できています。

特別賞 (3名)

西川 勲さん

Canon EOS 6D
Tamron AF28-300mm
ISO200 オート f8
WB : 太陽光
補正 : なし
撮影場所 : セントレア空港沖

伊藤久巳

テイクオフローリングの長いA340-300を逆手に取り、逆サイドの進入灯と絡めるという手に出た。進入灯の扱い方が難しいが、よくぞいい位置に収め、機体との関係を考えながらシャッターを切った。

ルーク・オザワ

セントレアのとても新鮮な絵ですね。海上空港の進入灯は各空港によって形が違います。ここにセントレアらしさが感じられました。そして狙った機体が離陸重量の重いヨーロッパ行き。バランス良く構図に収められていますね。

チャーリィ古庄

数少ない船からの撮影で撮影チャンスの少ない離陸機を狙うというチャレンジ精神が結果に表れています。これが737など小さい機体では迫力に欠けますが、A340なのでバッチリです。欲を言えば空が青ければなお良かったでしょう。

三好 秀樹さん

Sony SLT-A99V(α99)
Sony SAL300F28G2(300mm F2.8 G SSM II)
ISO400 1〜30秒 f6.3〜9.0
WB : オート
補正 : DxO Optics Pro v8にてレベル調整後、トーンカーブで明るさを調整し現像。Lighten Compositeにて242枚を合成。
撮影場所 : 知多郡美浜町野間本郷

伊藤久巳

よくぞこれだけたくさんの離着陸機を…というのが第一印象。画像処理まで一貫したコンテ、技法が光る。揃った進入機のパス、出発機がマックスパワーを抜くタイミングの妙味、ゴーアラウンド、実に楽しい。

ルーク・オザワ

写真は長時間露出ではなく242枚の合成と記してあります。これはアートですね。この発想が素晴らしいです。特にヒコーキの航跡だけを構成するのではなく、手前の杭に止まっている鳥たちが効いていますね。

チャーリィ古庄

アイデア賞とも言うべき作品で完成画像を完璧にイメージされた撮影時の苦労、画像処理時の手間が伝わります。人と違ったアイデアを形にする、そのクリエイティブな力に惹かれました。もちろんプリントもキレイで作者の力量が分かる作品です。

久野 芳恵さん

Nikon D7000
Nikon AF-S Nikkor 300mm f/2.8G ED VR II
ISO100 1/800 f9
WB : 晴天
補正 : Nikon Capture NX2にてトリミング
撮影場所 : セントレア対岸

伊藤久巳

2時間前のスタンバイがものを言った。進入機のグライドスロープが完全に頭に入り、5秒前までウインドサーフィンボードの位置に腐心したことだろう。あとはボードの色と間隔が幸運するのを待つだけだった。

ルーク・オザワ

僕もウインドサーフィンとヒコーキを絡めたことがありますが、タイミングがとても難しいです。そんな中、セールの向きも良く、セントレアならではのドリームリフターとの絡みを捉えましたね。海の反射も好いです。

チャーリィ古庄

夏のカレンダーにピッタリの作品です。似たような応募作品があり最後の最後まで我々審査員は悩みましたが、季節感が伝わると言うことで選びました。ウインドサーフィンの位置が絶妙でB747LCFでセントレアらしさが伝わる作品となっています。

セントレア賞 (6名)

井口 博正さん

Canon EOS-1D X
Canon EF50mm F1.2L USM
ISO800 1/160 f2.2
WB : 太陽光
補正 : Lightroom5により明るさ、コントラスト、色の濃さ等を補正後、トリミング
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

夕暮れの時間帯、カメラを振れない被写体だけに苦労したに違いない。機体を置く位置はここが最高だが、ランウェイをフルに使った離陸機をよくぞ逃さなかったと思う。

ルーク・オザワ

ここの位置に離陸機はなかなか飛び込んで来ないですよね。さらに絶妙な空の残照の中で絡めましたね。737の大きさとバランス好いです。

チャーリィ古庄

ひと目でカレンダーにふさわしく「12月に入れよう」と思った作品です。シンメトリーな構図でライトアップの色と空の色が両方表現できるわずかな時間の離陸機を狙い、処理も完璧です。

千達 哲史さん

Nikon D700
Sigma APO 120-300mm F2.8 DG OS HSM
ISO200 1/1250 f8
WB : オート
補正 : Nikon Capture NX2により、トーンカーブで全体のバランス、シャドーとコントラスト、色温度、各部の明るさを調整後、W4切サイズにトリミング
撮影場所 : 国際航空宇宙展会場

伊藤久巳

国際航空宇宙展は素晴らしい撮影ポイントを提供してくれた。タキシング機の位置、タワーの位置、駐機機のバーティカルの位置が最高の落ち着きを見せてくれている。

ルーク・オザワ

国際空港セントレアらしさが出ていますね。特徴的な管制塔、スカイデッキ、そして色とりどりの尾翼のマークが印象的でした。

チャーリィ古庄

国際航空宇宙展の関係で同じ様な応募作品は多々ありましたが、黄金分割の画面構成。国際線を意識して3つのエアラインを入れたアングル。画面全体のバランスが入賞のポイントです。

延原 真さん

Nikon D3X
Nikon AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II
ISO100 1/160 f11(-0.7補正)
WB : オート
補正 : Nikon Caoture NX2を使用。RAW撮影データに彩度、シャープネス、コントラストなどを補正
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

空の模様がすべての作品だが、誰が撮ってもこうなる訳ではない。機体をどんな大きさでどこに置くか、離陸機ごとに違うリフト・オフ・ポイントに対し瞬時に対応できた勝利だ。

ルーク・オザワ

光芒ありきの離陸機です。光芒は数分いや数秒で変化する中、絶妙な位置に機体が飛び込んできましたね。「運も実力」といった作品です。でもなぜ背景を高速シャッターで止めなかったんだろうか。

チャーリィ古庄

とにかく美しいプリントに目を奪われました。ひと目で入賞間違いなしの作品と分かりました。微妙な露出、雲と機体の位置など画面構成も申し分ありません。ベテランの技が伝わります。

山部 ゆりさん

Canon EOS 5D MarkII
Canon EF70-200mm F2.8L IS II USM
ISO100 1/800 f8.0
WB : 太陽光
補正 : 純性DPP
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

スカイデッキのギャラリーの切り方、フェンスの扱い方がとても軽快。主題の離陸機に対して控えめにしたことにより、いい位置にさしかかる機体が伸びやかに際立った。

ルーク・オザワ

滅多にないこんな早い離陸を捉えました。スカイデッキのフェンスに当たる光線、見学者の服装で季節感を感じられました。

チャーリィ古庄

まず「よく747がここで上がったな」というのが感想で、次いでそれを見事に画にしたという点に感心しました。順光青空という飛行機写真の基本ですが、作品にできる人は少なくお見事です。

新海 徳榮さん

Nikon D300
Nikon AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II
ISO200 1/800 f7.1
WB : オート
補正 : なし
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

セントレアお決まりの構図の一つだけに、その構図で勝ち抜くためには一点の失敗も許されない。冬、さまざまな撮影条件がベストの日、ベストの場所に離陸機がさしかかった。

ルーク・オザワ

快晴の空の下、透明感のある空気が対岸のコンビナートと冠雪した山をくっきりと出していますね。そこに後追いの離陸機がカッコいいです。

チャーリィ古庄

応募作品のプリントの色が濃く彩度が上がりすぎ、白の階調が失われている点が気にはなりましたが冬のクリアな空気感が伝わります。画面における機体の位置も良くカレンダーらしい写真です。

牧野 精一さん

Nikon D3S
Tamron SP70-300mm F/4-5.6 Di VC USD
ISO200 1/500 f11.1
WB : 晴天B2
補正 : Nikon Capture NX2にて現像。Photoshopでサイズ加工、色微調整後、銀塩プリント出力。
撮影場所 : スカイデッキ

伊藤久巳

朝のセントレアおなじみの光景だが、特筆すべきはカメラポジション。737の複数の派生型、A320のバーティカルのトップを綺麗に揃えてのパースペクティブ表現が素晴らしい 。

ルーク・オザワ

朝一の出発前の光景ですが光がクリアーで美しいですね。一番奥に767がスポットインにはちょっとびっくりしました。

チャーリィ古庄

類似作品も多く、簡単に撮れそうな写真ですが、現実には各社の異なる機体をずらりと並べてキレイに撮影するのは至難の業です。忙しい朝の国内線の光景が見ているだけで伝わる作品です。

総 評

伊藤久巳

対峙(審査)するに当たり、ご応募いただく作品群がハイレベルなことは最初からわかっている。それに負けまいと心構えを持って臨むのだが、それでも群を抜くレベルの作品群に圧倒されてしまった。今年は特に卓越した光線の使い方や画像処理技術が光るとともに、画面の中での主題、副題の順序付けをはっきりとさせて撮影に臨まれた作品が目立った(カレンダー写真では重要なこと)。その陰で、忘れられていることがある。機体の迫力の追求だ。接近戦が中心となる迫力の表現は難しいことだが、迫力で私を驚かせてくれたら、きっとぼくは選んでしまうことだろう。今年も素晴らしい作品のご応募、ありがとうございました。

ルーク・オザワ

今年もまた1年間という短い期間の中で、力作が揃った。物作りなら頑張ってできるが写真は自然相手ゆえ自分が頑張っただけではでどうにもならない。それでも一瞬の光に出逢えた時にどう切り取り、どう露出の決定をするかで、絵の出来栄えが左右される。とくに今年は写真力を感じた。写真だからこそ表現できる絵、高速で動いている飛行機を止め、予想予測の下、シャッターチャンスを見事に捉えた作品が選ばれた。 

チャーリィ古庄

応募総数約900点という膨大な作品を拝見させていただきましたが、通常のフォトコンテストよりも総じてレベルが高くひと目でボツになる作品が少ないことに驚きました。と同時に我々審査員が苦労するほどいい作品が集まりました。正直「これも入れたかった」という作品は入賞以外にもあり、各自が苦渋の選択をして選んだ12点となっています。
 特に近年はひとひねりした作品が多く、我々審査員もアイデアやクリエイティブ力など作品から伝わる熱いインプレッションを感じることができました。ぜひ誌面でお見せできなかった作品も見ていただきたいのでセントレアの展示会場に足を運んでいただければと思います。

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