2017年入賞作品

最優秀賞 (1名)

榛葉広さん

Canon EOS 7D MarkⅡ
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
ISO100 1/1000 f5.6
WB:オート 
補正:Adobe Photoshop でサイズ加工、色調整
撮影場所:常滑市内

ルーク・オザワ

「凄いです。見事です。僕もこんな絵を撮りたいです」。そんな言葉しか出てきません。数年に一度しかない大雪のセントレア。貴重なチャンスをよくモノにしましたね。ルフトハンザのA340が上がった瞬間、デアイシングが振り落されたと同時に翼端からはベイパー、そして雲の切れ間から光が落ちたところに機体が飛び込んだ最高の状況です。船も効いています。

伊藤久巳

一瞬、何が起きているのかが理解できなかった。機体は空港島に積もった雪の反射を受けていた。榛葉さんは機体を引き寄せて撮るのではなく、湿気をたくさん含んだ空気を広く写し込んだ。機体の反射はもちろんだが、この空気感こそが最優秀賞の決め手の一つだ。遠景のA340-600だが、左の主翼の先端まで見せている点が見逃せない。

チャーリィ古庄

類似作品がいくつかありましたが、揉める事もなく「これだろう」と3人一致した作品です。それくらいインパクトがあり、スーパーチャンスをモノにしています。数年に一度あるかないかの雪景色に光が差し、そこにルフトハンザ機の離陸。機体を置いた位置やバランスも見事で露出も文句なし。やりすぎない画像処理も好感が持てます。

優秀賞 (2名)

千達哲史さん

Nikon D700 
Nikon AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6E ED VR 
ISO100 1/40 f14
WB:オート 使用フィルター:ND
補正:Capture NX2を使用。トーンカーブを調整の後、コントロールポイントで細部を調整。
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

スカイデッキのワイヤーフェンスという障害をものともせず、きれいに流し撮りを決めました。使用レンズは200-500mmとありますが747LCF をどこで切るのかが悩みどころです。欲を言えば、NO.3 エンジンカウルがもう少し入ると、バックの青い海と決まったかも知れません。

伊藤久巳

特徴ある747LCF の機首をスローシャッターで切り取ると、見事に背景から浮かび上がった。アップで捉えていながら、千達さんは安易に迫力系に走らず、機体のディテールの面白さに重心を置いた。コクピットにパイロットの姿がうかがえる点もいい。

チャーリィ古庄

NDフィルター使用で、シャッター速度1/40、計算し尽くされた作品です。芝の緑と海の青が美しいトーンで流れていますし、影が気にならない光線状態とシャドー部が綺麗な仕上げ。そしてLCFの特徴を出すべく、フレーミングも良いバランスで切ったのがお見事。さすが常連です。

車川浩司さん

Nikon D4 
Nikon AI AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED 
ISO200 1/1500 f4 
WB:オート
補正:Adobe Lightroom
撮影場所:臨時駐車場

ルーク・オザワ

やはりこう来ましたか。8 年連続入賞の強者らしい作品です。一言に連続入賞とは言っても、もし選ばれなかったらというプライドもあって、当人には毎年相当なプレッシャーがあるはずです。それでも自身を追いつめて絵を探し、この瞬間を捉えたときは「ニヤっ」としたのだろうと感じ取れました。

伊藤久巳

夕陽の空間が雲間にぽっかりと空いた。車川さんがその瞬間を見逃すはずはなく、まんまと747LCF の夕陽作品をモノにしたのだが、画面上部に光芒があるのもさることながら、往々にして黒くつぶしてしまう機体をうまく処理し、中庸を心掛けた点が非常に大きい。

チャーリィ古庄

機体の後方スペースがないのがちょっと気になりますが、全体のバランスは黄金分割で安定した構図。照明塔や地上の余計な障害物を排除している点もベテランならではで、苦労が感じられます。空の色合いとトーンも美しく、プリントの仕上げも見事です。

特別賞 (3名)

伊賀上明さん

Nikon D5300
Sigma APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM
ISO400 1/1250 f11
WB:オート 
補正:Nikon View NX にてコントラスト、明るさを調整し現像
撮影場所:東横イン中部国際空港パーキング

ルーク・オザワ

大雪のセントレアシーン、これもまた素晴らしいですね。あえてデッキには行かず、引きで狙ったことが正解です。デアイシングが振り落される作品は、今回かなり多かったですが、手前にあるデッキの雪を表現した点はポイントが高いです。光も好い感じで捉えていますね。

伊藤久巳

ベトナム航空の暗いマーキングを、逆光側にもかかわらず、的確にコントロールして表現できたことが素晴らしい。ギアアップのタイミングがやや遅く、メインギアにたくさん付着した氷雪が溶けて垂れている点もプラスに働いた。

チャーリィ古庄

ベトナム航空の新塗装機。屋根に雪が見えるセントレア。日の丸構図ですが分かりやすさが出ているので、これはこれでアリでしょう。気温の低さや風が写真から感じられます。海上の光と影の部分、メインギアからのしぶき。苦労されたようですが絵になる一枚になりましたね。

大屋昭紀さん

Canon EOS 7D MarkⅡ
Canon EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
ISO200 1/1000 f8.0 + 1/3 補正
WB:オート 
補正:Canon Digital Photo Professionalにて現像。Photoshop でサイズ加工、色調整後、銀塩プリント出力
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

良く見ていないと見逃しそうなシーン。「こんなことがあるんだ?」と思いました。3機同時のプッシュバックですが、この瞬間を見逃さなかった作者は素晴らしいです。タイミング的にも好いですし、機材もすべて単通路機というところも作品を良くしていますね。

伊藤久巳

3機すべてがトーイングトラクターによるプッシュバック中で、しかもまるでアブレストフォーメーションを組んだようにほぼ同じ方向だ。航空管制官の実に的確な指示を連想できる、楽しい作品となった。

チャーリィ古庄

セントレア名物の機体並びは毎年1点は入賞しますが、今回はレアなシーン。奥の2機はプッシュバックで手前がトーイングでしょうか。こんなシーンにはなかなか出会えませんし、機材が異なるのも面白いです。写真に関する良い眼を持った方だと思います。

内田昌人さん

Canon EOS 7D MarkⅡ
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
ISO100 1/1600 f5.6
WB:オート 
補正:Adobe Lightroom で現像。明るさ補正後、Photoshop Elements で彩度補正
撮影場所:りんくうビーチ

ルーク・オザワ

まさに夏です。海で遊ぶ若者達の配置が良いですね。彼らありきで構成しようとするとバランスが難しくなりそうなのですが、うまくまとまっています。背景の山の下の霧状の雲が船を浮き上がらせている点も効果的です。そしてアプローチ中のシップは左手に見える着陸誘導灯に導かれているのが感じ取れます。

伊藤久巳

手前のウインドサーファーをおとりに使い、実は海上の白いモヤの中にRWY18の進入灯、大型タンカーと大型輸送船、その上に機体をあしらい、海面を大きく取り入れたことが選ばれた要因だ。この構図で進入灯の存在に気付くことができる経験の勝利か。

チャーリィ古庄

流行りのパドルボートが夏を感じさせます。南風で視程が良く、鈴鹿山脈までキレイに見えます。機体が小ぶりなのが少し残念ですが、夏らしさ、爽やかさを感じさせる季節感のある一枚に仕上がりました。逆光にもかかわらず、露出も適切です。

セントレア賞 (6名)

後藤由紀さん

Canon EOS 70D
Canon EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM
ISO640 1/4000 f8 
WB:オート
補正:Adobe Photoshopにてトーンカーブ調整、色調整、サイズ加工
撮影場所:RW18離陸機内

ルーク・オザワ

チャーター機からの空撮かと思いきや、離陸機の窓からですか。絶妙なタイミングでしたね。A380はプッシュバックして白が浮き出ています。背景もセントレアらしいタワーとターミナル、その後ろには海と連絡橋まで写り、あっという間の状況を的確に捉えました。

伊藤久巳

離陸機からの撮影。プッシュバックしたA380を、窓の歪みに対して無理しない焦点距離で撮りにいくと、そこには管制塔。両者の位置関係を把握し、最高の位置で捉えた。きちんとピントを出していることは、与圧機からの空中撮影を理解できている。

チャーリィ古庄

トーンは色が暗めなので審査で議論になりましたが、窓越しでこの画がよく撮れたと感心したのと、左端に管制塔を入れた点がポイントで選ばれました。新鮮なカットで見る人がみれば、A380の巨大さが伝わる作品です。

奥田正明さん

Canon EOS 7D 
Canon EF24-105mm F4L IS USM 
ISO200 1/2000 f4.0 
WB:太陽光 使用フィルター:PL 
補正:Digital Photo Professional、色補正のみ 
撮影場所:VOR/DME前降車ポイント

ルーク・オザワ

初セントレアで見学ツアーに参加してVOR/DMEポイント撮影。時間的に数機しかチャンスがない中、お見事でした。こんなきれいな青空に加え、早い上りのソラシド機がフルレングスにいったお蔭でしょうか。運も実力のうちですね。

伊藤久巳

カラフルなソラシドエア737のマーキングが青空によく映える。地面をギリギリまで切りつめ、青空の部分を極力大きくした点がいい。また空だけでは単調になってしまうが、管制塔を絶好の位置に置くことで、それをきちんと防いで見せた。

チャーリィ古庄

最後まで審議した作品です。パッと見、キレイなのですが審査員が気になったのは尾翼の階調が失われていること。恐らくPLフィルターの利かせすぎか、ピクチャースタイルを風景モードにしたためかと思われます。しかし気持ちの良い青空が勝ちました。

牧野一隆さん

Nikon D750 
Nikon AF-S Nikkor 50mm f/1.8G 
ISO180 1/1600 f7.1
WB:雲天 
補正:View NX2にて補正 
撮影場所:VOR/DME前降車ポイント

ルーク・オザワ

撮れそうでなかなか撮れないシーン。離陸機は行先等によって離陸重量が変わるので、どこでリフトアップするかは来てみないと分からないのです。787が目の前で浮き、管制塔とカブるまで、おそらくコンマ数秒のところを捉えています。

伊藤久巳

標準レンズで離陸を捉える贅沢さ。だがそこには機体をブラさないための的確なテクニックが必要となる。離れた場所から望遠レンズで離陸を撮る方がよほ簡単なのだ。離陸時の姿勢変化が比較的少ない787を、よりかっこ良く捉えるコンテに非常に好感が持てた。

チャーリィ古庄

青空バックで管制塔が入ったJAL787のテイクオフ。非常に分かりやすくカレンダー向きの作品です。機体も中央ではなく、やや下気味に置いて空を見せる、経験者ならではの手法です。草の色も綺麗でお見事です。

小坂勝弘さん

Pentax K-3 
Sigma 10-20mm F3.5 EX DC HSM 
ISO200 1/320 f8.0
WB:マニュアル 
補正:Adobe Lightroomにて色温度調整 
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

夕日のオレンジに狙ったように飛び込んできたA320。この状況で僕だったらフェンスに張り付いて夕日と絡めて狙うだろうと思いました。そこを敢えて引き、ギャラリーを含めシルエットで決めたところが憎いです。

伊藤久巳

雲や空中の塵がほとんどない空。太陽が周囲を最小限にオレンジ色に染めて沈んでいく。その上の群青色が支配する空の奥行が素晴らしい。沈む太陽と人の関係、機体とフェンスの桟の関係などをきちんと整理した上で作品として成立させた。

チャーリィ古庄

色温度調整により空のブルーのグラデーションがキレイに出ています。画面下部の黒い部分の面積が少し多いのではないか?という議論がありましたが、類似作品の中でも目を引くものがあり、人の動きが感じられた点で選ばれました。

小沼成彦さん

Nikon D500 
Tamron AF18-200mm F3.5-6.3 XR DiII 
ISO200 1/320 f8
WB:オート 
補正:Adobe Photoshopにてコントラスト、彩度、トーンカーブ調整 
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

東京からの遠征、そして初応募にしてこの作品は見事です。雨の中、好い光に出会いましたね。2機とも、濡れた地面に影が写っている点が効いています。この瞬間を落ち着いて見極めたところが憎いです。

伊藤久巳

雨後の晴れ、反射を見逃さなかった。構図を試行錯誤しつつ、2機の737と人、機体の影と人の影について、位置関係をとっさの判断で決定しつつシャッターを切っている。あえてオレンジ色を弱く、ともするとモノトーンを思わせる表現もプラスに働いた。

チャーリィ古庄

類似カットの応募もあって議論になりましたが、検討を重ねた結果、2機の機体の絡み、ランプエリアへの737の反射の美しさでこの作品が選ばれました。雨上がりの陽ざしも美しく、雲の階調も活きています。

鈴木智子さん

Nikon D3s 
Nikon AF-S Nikkor 24-120mm f/4G ED VR 
ISO400 1/2500 f4
WB:4900K 
補正:Adobe PhotoshopCCで現像、トリミング加工、プリント出力 
撮影場所:常滑沖

ルーク・オザワ

このA380を狙って、この時間に海に出たのか、それとも朝の澄んだ光を狙ったのか定かではありませんが、いずれにせよベテランの読み通りの作品に仕上りましたね。僕だったらもう少し引いたかな 笑

伊藤久巳

敢えてA380をアップにするのではなく、広く青空のグラデーションの中に置いた。そして効いているのは画面下にわずかに入れた海面とRWY36の進入灯。これらの位置に細心の配慮を施しつつ、刻々と変化する情況の中、最高の場所に機体を置いた。

チャーリィ古庄

海上からの撮影でインパクトがあるタイ国際航空のA380。プリントが少し暗いという意見がありましたが、完成度とインパクト、船上撮影で審査初めから入選候補となっていました。毎年、手を変え品を変えてくる鈴木さんらしい作品です。

新人賞(2名)(セントレアフォトコンテスト応募3回目までの方が対象となります。)

伊場一幸さん

Canon EOS 5D Mark Ⅲ 
Canon EF24-105mm F4L IS USM 
ISO250 1/640 f4.5
WB:オート 
補正:Digital Photo Professiona(l RAW:ホワイトバランス、ハイライト、シャドウ、色あい、色の濃さ、シャープネス)
撮影場所:東横イン 駐車場

田﨑功汰さん

Canon EOS 8000D 
Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS II 
ISO100 1/800 f5.6
WB:オート 
補正:なし 
撮影場所:駐車場

空美賞(1名)(女性の方が対象となります。)

近藤美穂さん

Nikon D810 
Nikon AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8E FL ED VR 
ISO200 1/1600 f4.5
WB:オート 
補正:Adobe Lightroom、Capture NX2で色調整、クロップなど
撮影場所:スカイデッキ

ヤング賞(1名)(小学校4年生~高校生・高専生の方の応募が対象となります。)

音峰壮空さん12歳

Canon EOS 80D 
Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS 
ISO100 1/4000 f6.3
WB:色温度8000K 
補正:Canon Digital Photo Professionalにて現像、回転補正
撮影場所:スカイデッキ

総 評

ルーク・オザワ

今年で12 年目の審査会で、いつもの3 人が半年ぶりに顔を揃えた。いつものように、ああでもない、こうでもないというバトルがあるのかと思いきや、意外や意外すんなりと決まった今回の選考会。その理由は応募作品のレベルの高さと、バリエーションの多さだ。 昨年あたりは天候不順が多かったのか青空作品が少なく、夕焼けや夜景ばかりで結構苦労した。選ばれた作品はカレンダーになるのだから、やはり季節感や12 か月のバランスが求められるのである。その辺りが今回は実に良かった。秋の表彰式でお会いしましょう。

伊藤久巳

「皆さんはセントレアの空を理解している」。今回の審査に当たって、そんな思いを強くした。気象に起因する撮影条件の上に飛行機写真は成り立つのだが、そのためには空の理解が絶対条件になる。入選作品がここをクリアしているのは当然だが、ほぼすべての応募作品にそんな印象を持った。そこで今回強く思うことは、惜しくも入選を逃した作品群のレベルの底上げだ。入選作品のレベルの高さは例年どおりだが、応募作品全体そのものが確実に上がっている。空を理解した緻密なコンテが嬉しい。今年もたくさんの応募をありがとうございました。

チャーリィ古庄

例年に比べて夕景シルエットや夜景が少なく、明るい作品が多かったのが印象的でした。やはりカレンダー候補作として選ぶ場合、夕景や夜景よりも青空写真の方が選ばれる確率が高い事が、認知されたのだと思います。一方で青空の作品は夕景に比べてフォトジェニックにはなりづらいので、皆さん楽しんで苦労された感じが伝わりました。全体的に応募者の年齢層が高めなので、若い方が応募すればヤング賞などは比較的狙いやすくもあります。来年以降は、これまで以上に若い方の作品を是非見てみたいと思いました。

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