セントレア周辺の海域環境とブルーカーボンをテーマとした学習見学会を実施しました
セントレア島南北の隣接海域は、毎年11月の半ば頃から翌年3月頃までの間、広大な海苔栽培の漁場となり海面に立ち並ぶ海苔粗朶(のりそだ)や海苔網がその昔からこの地域の風物詩ともなっています。
このセントレア周辺の海苔養殖と海域環境保全や水質浄化、さらにはブルーカーボンをテーマとした学習見学会を24年2月9日(金)、鬼崎漁業協同組合様と愛知県漁連海苔流通センター様のご協力のもと実施し、空港運用本部長をはじめ地域共生部とサスティナビリティ推進室の社員が参加しました。
歴史を辿れば西暦701年大宝律令にも高価な海産物として扱われてきた海苔は、この伊勢湾でも200年以上前から栽培されるようになり、空港近隣海域では例年11月~4月にかけて1シーズンで全国の海苔生産量のおよそ5%にあたる3.4億枚の海苔が生産されています。
海苔は成長過程で、光合成により二酸化炭素を始め、窒素やリンを吸収し新鮮な酸素を放出しており各種資料を参考に試算すれば、セントレア周辺海域の海苔が吸収するCO2はなんと2,150t、放出するO2は1,580tにもなり、近隣海域の浄化に留まらず、まさに地球環境の保全につながっているといえるかとます。さらに窒素 89t、リン9tも吸収しており水質浄化もしているようで古くから続く日本の食文化と海域環境保全は昨今の社会が目指す脱炭素のつながりを知ることができました。
空港島の対岸部に位置する鬼崎漁業組合では、実際に海苔の生産加工過程を見学させていただき、海苔栽培に携わる漁師さんの豊かな海の重要性と品質へのこだわりへの熱い思いを鈴木組合長様から直接お聴きすることができました。
鬼崎漁業協同組合に続いて半田市にある愛知県漁連海苔流通センターを訪れ、翌日に開催される今シーズン6回目の共販会に備え愛知県下各地各漁業協同組合から集荷された海苔を前に加工メーカーや問屋のバイヤーさんの翌日の競り前の品質、香り、色、光沢、乾燥などを見極める見付け場でセンター長さんからお話をお伺いしながら、見学をし、学びを深めました。
昨年、9月に実施した海苔の種付け作業の学習見学会、そして今回の学習見学を通じて木曽三川の豊かな栄養を吸収し、漁業者の努力と技術によって出来たうま味のある海苔を通して、空港周辺海域の豊かさと海域環境保全に重要性を肌感覚で学ぶことが出来た貴重な機会となりました。