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セントレア公式カメラマン
チャーリィ古庄 「セントレア今月の一枚」VOL.86

2025.1.22 日本の空港のワイヤーフェンスはセントレア・スカイデッキから!?

セントレアオフィシャルカメラマンのチャーリィ古庄です。

2025年2月、セントレアは開港20周年を迎えます。20年前といえば、プロカメラマンでさえデジタルカメラを使い始めたばかりの時代。撮影の主流はまだフィルムで、もちろんスマートフォンなんて存在しませんでした。

そんな時代に、画期的な撮影環境を実現したのが、セントレアのスカイデッキに設置された「ワイヤーフェンス」です。当時、空港の展望デッキのフェンスといえば、普通の金網が一般的で、気の利いた空港ではカメラ穴がある程度でした。昔は胸の高さまでのフェンスが主流でしたが、2001年のアメリカ同時多発テロを契機に空港のセキュリティが強化され、全国でフェンスが高くなりました。

そのような状況の中で登場したワイヤーフェンスは、レンズを左右にスムーズに動かせる構造で、飛行機の動きに合わせた撮影が可能に。飛行機ファンにとっては非常にありがたい仕組みで、この方式は後に羽田空港、伊丹、新千歳、福岡など、展望デッキを改修する多くの空港に採用されるようになりました。セントレアが展望デッキの環境を考える「パイオニア」として果たした役割は大きいと言えます。

展望デッキは、日本特有の文化ともいえる存在です。アメリカでは展望デッキがほとんどなく、ヨーロッパでもスイスやオランダなど一部の国にしかありません。アジアでも、ガラス張りの展望ホールはあるものの、日本のように屋外で飛行機を眺められる場所は非常に少なく、環境も日本ほど整っていません。空港で飛行機を眺めたり、旅立つ人を見送るという文化は、日本独自のものです。そうした環境を提供してきたセントレアのスカイデッキは、まさにその象徴と言えるでしょう。

日本の地方空港の中には、素晴らしい景色を楽しめる立地にありながら、展望デッキの改修で撮影環境が悪化してしまった例もあります。適切な環境を整えれば人を呼び込める可能性があるだけに、非常に残念です。その点、セントレアのスカイデッキは広く、国内線・国際線の両方を眺められ、センターピアのおかげで滑走路にも近いという優れた立地。さらに、無料で利用できる点も魅力的です(現在でも有料の展望デッキがある空港もあります)。
そんなスカイデッキで撮影されたのが、こちらの写真です

写真1

スカイデッキはターミナル側から滑走路側まで距離があり、ほぼ360度の角度で撮影が可能。このときは北東方向に虹が出たため、スカイデッキを滑走路側に移動し、飛行機と虹を絡めて撮影しました。

写真2

スカイデッキの滑走路側では飛行機に非常に近づけます。焦点距離50mmのレンズでボーイング747LCFドリームリフターをフレーム内に収められるほどの近さが特徴です。

写真3

スカイデッキの魅力の一つは夕景です。特に日没後には鈴鹿山脈のシルエットが浮かび、伊勢湾を挟んで手前に飛行機が見えるという絶景を楽しめます。

写真4

ワイヤーフェンスの先駆者であるセントレアのスカイデッキ。身長に関係なく、カメラのレンズをワイヤー付近に寄せて撮影できる優れた設計です。また、飛行機の動きに合わせてレンズを左右に振ることも可能です。

  • 「Charlie FURUSHO」 チャーリィ古庄

1972年東京生まれ、旅客機専門の航空写真家。セントレア公式カメラマン。
世界の航空会社や空港からのオーダーを受けこれまで100を超える国や地域に訪れ航空写真を撮っている。訪れた空港は世界500か所以上。世界で最も多くの航空会社に搭乗した「ギネス世界記録」を持つ。旅客機関連の著書、写真集は30冊を超え、サミットなどのVIP機公式記録カメラマンを務めた経験もあり。飛行機とヘリコプターのパイロット資格を保有。空撮用のヘリコプターも所有している。
公式ホームページ charlies.co.jp