20TH ANNIVERSARY
20年の軌跡
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PROFILE

1972年東京生まれ、旅客機専門の航空写真家。セントレア公式カメラマン。
世界の航空会社や空港からのオーダーを受けこれまで100を超える国や地域に訪れ航空写真を撮っている。訪れた空港は世界500か所以上。世界で最も多くの航空会社に搭乗した「ギネス世界記録」を持つ。旅客機関連の著書、写真集は30冊を超え、サミットなどのVIP機公式記録カメラマンを務めた経験もあり。飛行機とヘリコプターのパイロット資格を保有。空撮用のヘリコプターも所有している。
近年日本の空港では、国や地方自治体から民営企業に事業を委託する空港民営化が進んでいる。そんな中セントレアは、開港から民間企業が主体となり事業を行う空港としてスタートしている。昨今の空港民営化で見えてきた課題は、これまでの空港は「航空利用に供する」つまり飛行機を利用する人のみに焦点をあてていて、飛行機に乗る人のみの目線でターミナルをつくっていた。しかし近年では航空利用者はもちろん、空港に来て楽しんでくれる人たちを呼び込むべく、空港は地域の交流場所でありエンターテインメント施設という場所に変わりつつあり、飛行機を見に来てもらい行きやすい空港にして、たまに飛行機に乗ってもらえれば良いという考えに変わりつつある。そのため空港ではさまざまな企画を行うようになっているが、空港で遊ぶ、楽しむなどの企画に最初に取組を始めたのはセントレアである。

近年行われている空港内バスツアーをはじめ、今となっては当たり前のように各空港で行われているイベントは、セントレアの事例を参考にそれぞれの空港のレシピを加えたものになっているケースが多い。例えば空港内バスツアー、展望デッキのワイヤーフェンス、大規模な空港フォトコンテストなど、これまで前例がないことを行うセントレアにはパイオニアとしての苦労があるが、担当者自身は「飛行機ファンを喜ばせたい」というスピリッツがあり、これは担当が変わっても代々受け継がれているのが素晴らしい。
筆者はさまざまな空港と関わらせていただいているが、「別に飛行機マニアを集めてもね~」という考えの空港が多い中、セントレアは撮影やウォッチング環境が良いスカイデッキの整備までも行ってくれた。筆者もスカイデッキの案内版に登場させていただいているが、ここでこんなシーンを見ることができますという分かりやすい視覚に訴える案内表示、さらにはセントレアとその周辺での撮影場所や時間帯、風向きなどのノウハウが空港公式WEBページで展開され、他の空港では見ないつくりとなっている。
毎年行われるセントレアフォトコンテスト。これのセントレアの飛行機ファンサービスの一環で、審査員は日本の航空写真のベテラン伊藤久巳氏、ルーク・オザワ氏、そして筆者チャーリィ古庄が務めている。
三名のプロ航空カメラマンが審査を行うフォトコンテストは日本でもここだけ。他空港でフォトコンテストを行っているところもあるが、審査ではなく一般投票や「普段カメラはスマホしか使いません」という空港職員が審査することもある。
飛行機写真はスポーツと違い、ハッキリと1位、2位といった点数やタイムで評価できるものではなく、ピアノなどと同じアートな表現物である。よく言われるのが、ピアノコンクールの審査員は当然ピアノや音楽に精通したプロフェッショナル。ピアノを弾いたことがなく、音符も読めないふつうの人がピアノコンクールの審査はしないしできない。しかし、他の空港の飛行機写真コンテストでは、写真を撮らない人が審査する場合が多々あるのが残念。
だが前述したようにセントレアのフォトコンテストは飛行機写真を「生業」にしているプロカメラマン三名が審査を行うため、日本で最も格式が高い空港フォトコンテストとなっていて、地元だけでなく各地から「審査員をアッと言わせてやろう」というハイアマチュアのカメラマンがこぞってセントレアに撮影に来ている。また応募者の作品が全て張り出されるのもここだけで、応募作品が膨大な数なのでスタッフの苦労も並大抵の事ではないが、自分の作品が空港に張り出されるのも応募者としてとても励みになるだろう。
※フォト:2024年フォトコンテスト最優秀賞作品
毎年セントレア開港日の2月、もしくは3月に行われる航空ファンミーティング。よく秋に全国の空港で行われる「空の日イベント」と何が違うのか?と言われるが、空の日は国土交通省航空局が主催で航空や空港を広く一般的に親しんでもらうための目的。

しかし航空ファンミーティングは「飛行機ファンのための飛行機ファンによるイベント」別名「エアライン・エキスポ・イン・ジャパン」と名乗っていて、日本の飛行機ファンの一大イベントとなっている。アメリカで同じようなイベントがるので、少し知識がある航空評論家などは「セントレアだけでなく、毎年違う空港でこのイベントを行う方が良い」など書かれたこともあるが、セントレアだからこそ出来ている事も知っていただきたい。
第一にセントレアには第1ターミナル4階スカイデッキ入口に広いイベントスペースがあり、大きなビジョンとステージが完備されている。
簡易ステージならともかく、ここまで大きなイベント会場を確保できる空港が他にあるだろうか?
第二に、セントレアにはイベントを創出する専門の担当部署があり、空港らしくないと言えばそうかもしれないが、盆踊りや空港音楽祭、地元の小中学生のダンスコンテスト、大規模な物産展など毎週何かしらのイベントを企画する部署があり、飛行機ファンに来てもらおうという精神が組織全体にあり担当者の熱量も高く、他の空港では場所があってもパッションが違うのでそう簡単にできる事ではない。
ちなみに航空ファンミーティングはJAL/ANAをはじめ国内外各航空会社のステージイベントや特製ブース販売。
エアバス、ボーイングなど航空機メーカーによるステージやツアー、県営名古屋空港を拠点に航空機を使用した無重力実験を行うダイヤモンドエアサービスの実験内容解説など、ライトなものからアカデミックなステージイベントがあるほか、誰でも出店できる航空グッズマーケット、アクセサリー制作、航空写真販売、旅客機プラモデル展示など、これ以上の民間航空機ファンが集まる祭典は日本に存在しないというイベントになっていて、もちろん全国から飛行機好きが集まるミーティングとなっている。
このようにセントレアが全国の空港で初めて開始した制限エリアバスツアー、撮影しやすいワイヤーフェンスのスカイデッキ、撮影ポイント解説、他の空港と違いどんな飛行機が来たか、セントレアの朝の飛行機の様子など充実した空港の公式SNS、全国の空港のなかでも最大規模で歴史あるフォトコンテスト、一から作り上げた航空ファンミーティングなど、飛行機ファンを呼び込むパイオニアとして前例がない事から作り上げるのがセントレアの素晴らしさであり、飛行機ファンやほかの空港からも「セントレアってなんかおもしろい事をやっているよね」とか「セントレアでやっているイベントをウチの空港でも真似できないだろうか?」なんて話も聞かれるくらいになってきている。
そしてセントレアの航空便利用者は東海地区が中心で遠くても長野や三重、奈良などで羽田、成田、伊丹、関空がある関東や関西圏と言った地域の人はセントレアに来る用事がないが、飛行機ファンに限ってはわざわざセントレアに飛行機を撮りに行く、イベント参加で来る事も多く、中には東京の人が羽田~セントレア便を利用するのではなく、羽田~新千歳~セントレアのルートで来ました、という人もいて航空機利用の需要にも貢献している。
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