Olympus OM-D E-M5 Mark Ⅲ
Olympus M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
ISO200 2秒 f7.1
WB:晴天
補正:Adobe Photoshop Elements で明るさ、色相、彩度を調整
撮影場所:スカイデッキ
多重露光での応募は過去にもありましたが、比較明合成というのはかつて無い作品です。構成がとても上手く、パッと見たところでは一発写真の様です。不自然さが感じられない空港ランプ内のGSEの動き。駐機の機体もバリエーションがあって効いていますね。肉眼で見えていない写真ならではで、見事にセントレアを表現したと思います。
グランドを走り回るタグのうち、手前でSの字を描いている車がいることに気付き、シャッターを開け続けると、こんなユニークな作品に仕上がった。背景に延びていく旅客ターミナル、整然と並ぶいくつものPBBが背景を引き締める。狙った場所のホワイトバランスを正確に出し、背後の機体のアウトホワイトバランスもユニーク。
初見から「これは入るな」と思わせる作品でした。夜景の応募は多いですが、長秒露光でコンポジット撮影ということで、ひと捻りされているのがミソです。三脚が立てづらく、フェンスをクリアするのも大変なこの位置で、光跡を予測してレーミングをしっかりされている点がお見事。加えて機体の並びもGOODです。
Canon EOS 5D Mark IV
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
ISO1600 1/10 f8
WB:オート
補正:Adobe Lightroom CC で白レベル、黒レベル、トーンカーブの調整
撮影場所:スカイデッキ
いや、これは凄いですね。セントレアで海霧でしょうか。過去15年審査していますが海霧の作品は初めてで話に聞いたこともありません。このチャンスでデッキにいたことが素晴らしく、さらにテクニックで良い作品に仕上げました。
飛行機の神様は微笑んだ。目の前にこんなシーンが展開するとは。あとは何事も失敗しないでシャッターを切るだけ。しかも冷静にアンチコリジョン・ライトを点灯させたカットを撮影できたことで、赤い彷徨がアクセントとなり秀作へと昇華させた。
こんな幻想的な情景があるんですね。素晴らしく思うと共に、このタイミングで現場に行かれた伊藤さんの努力に感銘を受けます。さらにただ撮影しただけではなく、軽く流し動感を表現、おまけにアンチコリジョンライトも灯り、完成度が高い一枚となっています。
Canon EOS 90D
Canon EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM
ISO100 5秒 f16
WB:オート
補正:Adobe Photoshopでサイズ調整、色調整
撮影場所:フライト・オブ・ドリームズ
フライト・オブ・ドリームズ撮影会での作品です。普段三脚は使用できませんが、この日はOKでした。横に振ることでスピード感を出す意図が見事に表現されています。これは僕にも真似できないですね。お見事です。
ZA001をカメラエレベーション、マイナス状態で撮影できるのが、ここの最高の美点だと思うが、さらにスローを切って機体をエアボーンさせた。機体を歪ませず、青い床を入れた点も悪くない。10年前、エバレットでこの機体が初めて空を舞った瞬間を強烈に思い出した。
写真をかなりやっている人でないと、どう撮影したのかが分からない絵です。上下のライトがレンズを振ることにより丸くなるというアイデア、レンズ選択、水平出し、色のトーンなど申し分ない作品です。この位置でも作品ができるということを学べる一枚となりました。
Canon EOS 5D Mark IV
SIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM
ISO100 1/1000 f5.6
WB:オート
補正:Adobe Photoshop Lightroom でコントラスト、明瞭度を調整
撮影場所:スカイデッキ
夏らしいショットでカレンダーにうってつけの作品です。順光よりも半逆光で輝く海に、赤い機体がまたインパクトを強めています。背景の雲の表情も効いていて、何気なく映り込んでいるヨットがまた好いです。
逆光の光線、空の雲も海面の反射を飛ばす工夫が功を奏した。ここまでの強い逆光だと、背景をきちんと出しつつシャドーの機体を綺麗に浮かび上がらせると、完全におかしなバランスになってしまうだろう。
昨年は夏の写真の応募が少なかったと申し上げましたが、まさに「夏」のカット。雲に加えてヨットが夏らしさを表現しています。光線状態は良いとは言えない条件ですが、画像処理により不自然にならない程度に上手に仕上げられています。
Canon EOS R
Canon EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM
ISO200 80秒 f20
WB:オート
補正:Adobe Photoshop Lightroom でトリミング、露光(+)、ハイライト(-)、シャドウ(+)、彩度(+)
撮影場所:りんくうビーチ付近
初めての夜景トライとの事ですが、ビギナーズラックなのか、これはお見事です。風景夜景は止まっていますが、ヒコーキ、とくに離陸機がどこを通るかは賭けに等しいからです。長秒でのRWY18離陸機狙いが功を奏しました。
国内線の中でも燃料を多めに搭載した便を狙って航跡を追いかけたというから驚きだ。両翌端のACLが連続点灯する機体だったことが勝因で、機影はなくとも左旋回の際の機体の動きがはっきりとわかる。
飛行機の光跡だけでも素晴らしいですが、橋の上に車か名鉄電車か、もう一つの光跡が出ているのがお見事です。海の波間の輝き、絞り込みによるライトの光佄も美しく表現されています。初めてのチャレンジなのに脱帽ものです。
Canon EOS-1D X
Canon EF500mm F4L IS USM
ISO250 1/1250 f5.6
WB:オート
補正:Adobe Photoshop Lightroom。C-PLフィルター使用
撮影場所:常滑市
今年もセントレアと言えばLCFの作品が多く集まりましたが、ひと際目立っていたのがこの作品。着陸間際ですが背景が落ち、機体と防波堤に当たる光が美しいです。機体のみを捉えるよりも地上の景色を入れたことで、より良くなったと思います。
まもなくILS CATⅡのDAという緊迫した瞬間の747LCF。背景を暗く仕上げることにより、そんな緊張感を画面に漂わせた。強すぎるコントラストは敬遠されるが、ここでは成功。海面の進入灯を明るく起こしている点もいい。
8月の昼間に500mmを使用するとは、ご本人も書かれた通り、陽炎との戦いですね。PLフィルター使用でコントラストを上げてバックをアンダーに落としたことにより、747LCFの白いボディと背景のメリハリの表現が出て、素晴らしいです。
Nikon D5300
SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM
ISO400 1/1250 f11
WB:オート
補正:Nikon View NX-iでコントラスト、明るさを調整し現像
撮影場所:東横イン駐車場
ヒコーキ写真は決して晴れだけでは無いというのを語っている作品です。デルタ機の立ち位置を考え、空と背景に偶然来たタンカーを上手く絡めています。そして決してご自宅から近くはないセントレアですが、常連さんらしい目の付け所が憎いです。
ADF溶液をテールから後方に引いてクライミングするという、雪の日ならではのシーン。スカイデッキが閉鎖された雪のセントレアに駆け付けて、何とか工夫しなければ撮れないレアなシチュエーションだ。
プリントから寒々しさが伝わってきましたが、雪が降る日とのこと。ベイパーではなくディアイシングをしたため、その液体が尾部から流れているのがポイントです。海の荒れ方、空のトーン、難しい条件にもかかわらず上手に仕上げました。
Canon EOS-1D X Mark II
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
ISO320 1/1000 f16
WB:オート
補正:Digital Photo Professionalで明るさ、コントラスト調整
撮影場所:りんくうビーチ
海に浮かぶジェットスキーが奇麗に並んでいるのを逃しませんでした。時刻も黄昏時でしょうか、そこに音もなくエアボーンしてきたLCF。このLCFというのもまた憎い。セントレアならではのワンシーンを捉えています。
連なる水上バイクの様がユニーク。完全逆光の光線をほど良く、しかし決してオーバーコントロールにならずに補正できている。離陸していく747LCFとウェザーレーダーの球体のコラボも楽しい。
何と言ってもジェットスキーが画面に華を添え、季節感を演出しています。機体が小さいとアンバランスになりますが、巨大な747LCFだからこそ、バランスが良くなる作品です。アイデアが素晴らしいです。
Nikon D5500
Nikon AF-S DX Nikkor 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR
ISO1000 1/3200 f14
WB:オート
補正:Nikon Capture NX-Dでトリミング
撮影場所:セントレア近海
アントノフAn-225の特徴である6発エンジン、H型の垂直尾翼、そして豪快な離陸で発生する黒煙を捉えた作品です。僕もこの日は撮影で空港内におり、海に浮かぶ船を見つけていました。きっと225狙いだろうと思ってい ましたが、そこにいたのですね。17歳にしてお見事です。
まずは突然やって来たAn-225を海上にまで追いかけた気合いを褒めたい。そして、テイクオフローリングが思いっきり伸びることを想定して、よくぞここで待った。6発のエンジンから出た黒い排気がいい。
高校生でこれを撮るとは驚きです。機体は大きさ、行先から考えて離陸位置が長くなるのはベテランなら分かりますが、そこを読んで画角も完璧。偶然なのか仲間と一緒なのか、よくぞこの位置に船をもって行きました。
Canon EOS R
Tamron SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2
ISO100 1/250 f6.3
WB:晴天
補正:Adobe Photoshop Lightroomで明るさ調整
撮影場所:RWY36側の海上
海からの激写。職業は漁業とあるので漁師さんでしょうか。いつもこんな光景を見ながらのお仕事は羨ましい限りです。でもあまり気になって本業が疎かになんて日もあるでしょうが、美しい光の中でのアプローチ機。美しいです。
進入灯近くから見上げた空には印象的な白い雲が並び、待ってましたとばかりに777Fがファイナルアプローチ。日の入りギリギリの斜光が、特徴あるレイクドウイングチップの主翼を下から照らした。
広角レンズで美しい空を入れ、カタールカーゴの着陸を狙いました。機体のディテールが見ていて清々しくなります。ご職業は漁業とのこと。セントレア周辺の海をいつも見ておられるのか、ご本人に伺いたくなる作品です。
Canon EOS 5D Mark IV
Canon EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM
ISO8000 1/20 f3.2
WB:オート
補正:露出補正-1/3。Adobe Photoshopでサイズ調整、色調整、銀塩プリント
撮影場所:スカイデッキ
年間であり得ないほど通い続けているという、ここ数年は常連の榛葉さんの作品。通うことで意外とマンネリ化が起こりますが、その作品作りの貪欲さが作品に表れていますね。何気ない夜撮でも、また違った光を見つけましたね。
747-400Fを低速で追いきった。そのシャープさ、背景の進行方向の青い光、機体マーキングが同じ青系、そしてタキシーライト。その総合力を以って画面がひたすら冷たく表現され、思わず見る側が引き込まれてしまう。
常連の榛葉さんですが、今回は機体ボディの質感に惹かれました。さらにほんの少しカメラを振って、タキシングも表現。フレーミングも文句のつけどころがなく、まさにベテランの余裕。「カッコイイ」と言わざるを得ません。
Nikon D500
Nikon AF-S Nikkor 500mm f/4G ED VR
ISO400 1/1250 f8
WB:オート
補正:DxO PhotoLab3で現像後、Nikon Capture NX2で微調整
撮影場所:スカイデッキ
一度はヒコーキ写真から離脱宣言をするも、やはり帰って来ましたね(笑)。一度離れることで見え方も変わってきたのではないでしょうか。コメントに視程の悪い日とありますが、その状況を逆手に取ってベイパー発生の瞬間をロングで捉えました。迫力満点です。
主翼面上にここまでベイパーが出るような湿度の中、スカイデッキからよく望遠レンズでピントを出した。ベトナム航空の機体色は暗くて難しいものだが、朝の斜光を使って綺麗に仕上げている点が好感。
色を出すのが難しいベトナム航空ですが、キレイにプリントされています。もちろんベイパーの質感、レンズ選択、迫力、画面に緊張感があることなどが入選の決め手で、気温が高い中、超望遠レンズを上手に使っています。
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セントレアフォトコンテスト応募3回目までの方が対象となります。
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Canon EOS 80D
Canon EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM
ISO200 1/4000 f8
WB:オート
補正:Adobe Photoshopでトリミング、色調整
撮影場所:スカイデッキ
Nikon D750
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
ISO2500 1/2000 f20
WB:オート
補正:Nikon Capture NX-Dで露出補正+1/3、彩度調整
撮影場所:セントレアホテル
Nikon D750
Nikon AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6E ED VR
ISO320 1/4000 f8
WB:オート
補正:Adobe Photoshop Lightroomで現像、調整処理
撮影場所:常滑市内
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小学校4年生~高校生・高専生の方の応募が対象となります。
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Panasonic DMC-GX8
Panasonic H-FS14140
ISO100 5秒 f9
WB:オート
補正:Adobe Photoshop Lightroomで現像後、Topaz Sharpen AIでシャープネス調整
撮影場所:スカイデッキ
総評
15年目にして初めて、審査会場がイカロス出版編集部を飛び出し、羽田空港ターミナルでの開催となりました。やはりヒコーキ写真の審査は機体を間近に見ながらの方がテンションも上がりますね。まだ梅雨明け前の空は重く、それでも雲の合間から時折光がこぼれると、ちょっと外が気になりました。応募作品と似たような光景だと、作者の気持ちにもなれるというものです。コロナ禍で応募点数がどうなるか気になっていましたが、数はもとよりクオリティも高く、僕自身もいい勉強になりました。
この悪夢のような情勢で、どこまで作品が集まってくれるものなのか。だが、果たしてそんな心配は杞憂に終わってくれた。スカイデッキが閉まっているならば、対岸から撮る、さらには船からも撮る。フライト・オブ・ドリームズで撮影機会があると聞けば駆けつける。こんな状況でも、そのような数々の努力をしていただいた成果だ。そして、これらの作品に肉薄する多くの作品群があることも記しておきたい。何事も制限される中で、きちんと意識を持って取り組んでいただいたこと、感謝申し上げます。
今年はCOVID-19の影響で、緊急事態宣言やスカイデッキ閉鎖、大幅減便と撮影条件の良くない年ですが、以前の作品を蔵出しで見せていただいた方もいて、作品レベルとしては下がるどころか、多くの力作に我々審査員も「オォ!」と唸らされました。「いつでも撮れる」と思っていた国際線機が満足に撮れない状況下ですが、やはり撮れるときに撮っておくべき。また皆さんとスカイデッキで撮影できる日が早く来ればと願っています。
各年度の入賞作品