最優秀賞 (1名)

荒川 宮男さん
Nikon D4
Nikon AF-S Nikkor 600mm f/4G ED VR
+Nikon Ai AF-S TELECONVERTER TC-14E Ⅱ
ISO200 1/1000秒 f9.5
WB:オート
補正:Photoshop Elementで明るさ、彩度調整、シャープ
撮影場所:小脇公園
優秀賞 (2名)
千達 哲史さん
Nikon D700
Nikon AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR Ⅱ
ISO1600 1/2秒 f4
WB:オート
補正:Capture NX2でトーンカーブ調整の後、コントロールポイントで細部を調整。Lightroomで微調整しトリミング。
撮影場所:スカイデッキ
伊藤久巳
スローシャッターで背景を動かすまでは誰でもやりますが、この作品は画像処理の段階で機体の白をきちんと出した上で、空港内のさまざまな色を再現したところが評価できます。背中の衝突防止灯の赤も利いています。
ルーク・オザワ
スカイデッキからの流し撮りでは背景の色合いがまさにセントレアならではの色。その背景の色に反してノーズライトのブルー、機体の白、そしてキャビン内のグリーンがとても美しくまとまっています。
チャーリィ古庄
シャッター速度1/2秒とはチャレンジャーです。背景には無数の失敗カットがあると思いますが、それがあるからこそこの作品。短いレンズでも良い作品が撮れるというお手本になる絵でもあります。
中井 真琴さん
Canon EOS1D-X
Canon EF17-35mm F2.8L USM
ISO400 1/1000秒 f7.1
WB:オート
補正:Lightroom5で現像
撮影場所:セントレア沖
伊藤久巳
白波が立つほどの西からの強風下、コクピットでパイロットがクラブ(風に機首を向けるように斜めに飛ぶこと)からウイングロー(風上の主翼を下げて飛ぶこと)に転移させる難しい操縦をしている瞬間を思い起こさせます。
ルーク・オザワ
チャーター船からの撮影は自由がある反面、どこからでも狙え、立ち位置に悩むことがあります。この作品では進入灯の長さを感じる奥行き感、舞い降りる機体のバランスも好いですね。白波も効いています。
チャーリィ古庄
右下の白波によってこの作品が生き生きしています。広角でワイドに空と海を入れ、ランウェイライトと機体の方向で視線をその先へと向けさせる集中線という技法です。揺れる船で水平も出ていて確かな技術力を感じさせます。
特別賞 (3名)
小原 弘幸さん
Ricoh Pentax K-5ⅡS
Tamron SP AF70-200mm F/2.8 Di LD(IF)
ISO4000 1/30秒 f4
WB:マニュアル(2900K)
補正:Lightroomでノイズ処理、ホワイトバランス、コントラスト調整後、jpeg出力プリント。
撮影場所:スカイデッキ 国内線側9番スポット横
伊藤久巳
綺麗に並んでいた機体ではありません。1機ずれていた機体が動き出す瞬間を狙ったのです。すべて日本のエアラインの違う塗装の勢揃い、すばらしいですね。自然な発色とノイズの少なさに画像処理の苦労が目に浮かびます。
ルーク・オザワ
何気ない国内線のスポットですが、4社4機種5カラーという珍しいシーンです。ANAモヒカンとJTA南西航空カラーは双方1機ずつのみ。ありえない程のシップの集まりに思わず声が出ました。
チャーリィ古庄
カラフルな国内線の並び、とても貴重な光景に審査員一同どよめきました。タイミングを待ったとの事で動きを読む力がすばらしい。露出も的確でノイズが少ない後処理、プリントの技術も評価できます。
鈴木 智子さん
Nikon D610
Nikon AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR Ⅱ
ISO250 1/640秒 f11
WB:色温度 4550K
補正:Capture NX2にて現像。Photoshopでサイズ加工、色微調整後、銀塩プリント出力。
撮影場所:スカイデッキ
伊藤久巳
明らかに最初から虹を狙いにいった勝利です。消防車による放水アーチを出てくる機体を「バックにあしらい」つつ、虹を入れるのはここしかありません。被写体を予測する目、それに対するコンテの確かさに感服です。
ルーク・オザワ
放水シーンはどこから撮るかプロでも悩みます。太陽との角度が合えば虹になりますが、出なければ絵になりません。虹が出てからの移動では間に合わず、そんな葛藤している作者が目に浮かびました。
チャーリィ古庄
日中順光、飛行機写真の基本ですが、実はこの条件でキレイに撮るためには、プラス技術力が必要です。審査員一同、入選間違いなしと感じました。美しく分かりやすい、撮れそうで撮れない写真。チャンスをモノにする腕が光ります。
牧野 精一さん
Nikon D800E
Nikon Ai AF Zoom Nikkor 24-50mm F3.3〜4.5D
ISO800 1/20秒 f5.6
WB:色温度 6670K
補正:Capture NX2にて現像。Photoshopでサイズ加工、色微調整後、銀塩プリント出力。
撮影場所:スカイデッキ
伊藤久巳
暮れゆく空港の情景によるイルミネーションの表現。その瞬間にどう撮れば、どんな色や明るさになるのかを瞬時に見極め、この作品になりました。広く撮っているようで、画面のどこにも隙がありません。
ルーク・オザワ
マジックアワーの空と人工光との露出が絶妙です。スカイデッキのイルミネーションがセントレアの冬をイメージさせます。ターミナルの切り取り方も奥行き感が出ていて美しいです。
チャーリィ古庄
あえてこの位置から狙い、建物のエッジが左右を分けているのがポイントです。手前に機体が駐機していればさらに良かったですが、それを差し引いてもブルーモーメントを美しく仕上げています。
セントレア賞 (6名)
車川 浩司さん
Nikon D4
Nikon AF-S Nikkor 600mm f/4G ED VR
ISO100 4秒 f8 多重露光
WB:色温度 2630K
補正:Capture NX2
撮影場所:臨時駐車場
伊藤久巳
47LCFを闇夜に浮かび上がらせるのは容易かもしれません。しかし、半欠けの月を機体の月と同じように蒼く再現してくるとは驚きでした。月のグラデーションもいい感じです。
ルーク・オザワ
「ん~憎いな」と思った作品でした。もちろん多重露光ですが選んだ月と配置した場所が絶妙。まるで「これから地球を飛び出して宇宙に向かうLCF」を感じた作品ですね。真似してみるか。
チャーリィ古庄
LCFと言えば車川さん。今年はどう来るか?と思いましたが多重露光とはアイデアでした。別の良い作品もあり、どちらにするかで揉めましたが、結果、月を入れたアイデアの勝利となりました。
相原 一郎さん
Nikon D4
Nikon AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR Ⅱ
ISO100 1/2000秒 f4
WB:オート
補正:RAW撮影後、Capture NX2で補正
撮影場所:スカイデッキ
伊藤久巳
スカイデッキ上、シルエットになった人々の表情を捉えている点が何よりもすばらしい。単調になりがちな画面構築も、離陸する機体を効果的にあしらうことで、力の動きによる対角線表現が完成しました。
ルーク・オザワ
美しくオレンジに染まるスカイデッキを敢えて引いてきれいにまとめましたね。A320のエアボーンも絶妙な位置。右側の建物を画面に入れたことでフェンスもアートチックに見えます。そして人のシルエットが何より美しい。
チャーリィ古庄
夕日の写真の応募は多いですが、ひとひねりしている絵がステキです。人、フェンス、機体を置いた位置と黄金分割の構図が見事で安定した絵作りになっています。カメラ任せにしない露出の知識があるからこそできる色作りです。
伊藤久巳
強い横風を受け、離陸後機首を左に振った機体が雪を被った山の方向を向き、険しい山を越えて上昇していく力強さを表現しています。4発エンジンのブラストも効果的です。
ルーク・オザワ
後追いシーンですが、ゆったりと離陸するA340の機体のフォルムが美しく表現されています。地上の茶色、海の青、さらには表情豊かな空が作品の完成度を上げています。
チャーリィ古庄
冬のセントレアは抜けが良い日は風が強く、寒いのですが、それを乗り越えたクリアな作品です。雲や波の雰囲気も出ていて、芝生の色、機体の影など見どころが詰まっています。
畔柳 雅明さん
Nikon D300S
Nikon AF-S Nikkor 200-400mm f/4G ED VR Ⅱ
ISO640 1/160秒 f6.3
WB:オート
補正:Capture NX2で現像後、Photoshopでサイズ調整、色微調整後、銀塩プリント。
撮影場所:りんくうビーチ
伊藤久巳
セントレア特有のアイテム以外を画面から排して、さらにコントラストが出にくい747LCFをきちんと空の中に表現しました。747LCFから薄く引いた排気もいい感じです。
ルーク・オザワ
狙ったのか、はたまた偶然なのか。いずれにせよ絶妙なところに離陸したLCFが飛び込んできましたね。逆光にも関わらず美しく仕上がっています。
チャーリィ古庄
りんくうから、よくこんな写真が撮れると感心しました。しかも光量が少ないため被写界深度も稼げない条件ですが、うまくまとめた作者の力量が評価できます。
酒井 弘明さん
Canon EOS 5D Mark Ⅲ
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
ISO400 1/800秒 f5.6 PLフィルター使用
WB:晴天
補正:なし
撮影場所:スカイデッキ
伊藤久巳
無彩色のターミナル、機体、そして御嶽山で画面を構築した上で、ワンポイントの赤い名鉄電車を配しました。これぞ画竜点睛。緩慢になりそうな画面中央を引き締めました。
ルーク・オザワ
セントレアと御嶽山のシンクロは年に数度しか見られないでしょう。そこにモノトーンのスターフライヤーが画面構成上、山を引き立てていますね。赤い名鉄電車も効いてます。
チャーリィ古庄
ターミナルの白黒のトーンとスターフライヤーのモノトーンがマッチしました。日の丸構図ですが、御嶽山が見えた貴重なカットです。名鉄電車のワンポイントも見事です。
渡邉 崇さん
Canon EOS 7D
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
ISO1000 1/10秒 f7.1
WB:オート
補正:Digital Photo Professionalにてダイナミックレンジ調整、シャドウ -1、ノイズ処理、RAW現像
撮影場所:スカイデッキ
伊藤久巳
路面の反射を見逃さず、ただ一点のポイントに賭けました。パイロットの緊張感、乗客の夜の空旅の期待感が良く伝わり、回転するプロペラが大きなアクセントになりました。
ルーク・オザワ
これはアート作品ですね。夕日かと思ったら照明のオレンジでした。雨上がりが反射を与え、DCH-8の大きさが程よく表現され美しいです。影も効いています。
チャーリィ古庄
トーンの明暗が議論の対象になりましたが、動感や輝きが表現されていて眼のつけどころが見事です。こういう写真は「こうなるだろう」という予測が勝負ですね。
新人賞(1名)(セントレアフォトコンテスト応募3回目までの方が対象となります。)
大屋 昭紀さん
Canon EOS 5D MarkⅢ
Canon EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
ISO200 1/4000秒 f6.3
WB:オート
補正:Digital Photo Professionalにて現像。Photoshopでサイズ加工後、色微調整後、銀塩プリント出力
撮影場所:スカイデッキ
空美賞(3名)(女性の方が対象となります。)
後藤 由紀さん
Canon EOS 70D
Canon EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS
ISO640 1/125秒 f8
WB:オート
補正:Photoshopにてトーンカーブ調整、レベル補正、色調補正、トリミング
撮影場所:スカイデッキ
中尾 八重子さん
Canon EOS Kiss X6i
Tamron 18-270mm F/3.5-6.3 Di Ⅱ VC PZD
ISO400 1/320秒 f6.3
WB:オート
補正:Photoshop Elements8.0によりコントラストプラス
撮影場所:セントレア場外
塩谷 敬子さん
Canon EOS 60D
Canon EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM
ISO400 1/800秒 f8
WB:太陽光
補正:Digital Photo Professional使用。明るさと色温度、コントラスト調整で路面の写り込みを強調。
撮影場所:スカイデッキ
ヤング賞(2名)(小学校4年生~高校生・高専生の方の応募が対象となります。)
山田 大貴さん21歳
Canon EOS 60D
Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS Ⅱ
ISO100 1/160秒 f8.0
WB:オート
補正:Digital Photo Professionalでコントラスト、色の濃さ、色彩、明るさ調整
撮影場所:スカイデッキ
キッズ賞(3名)(小学3年生以下の方が対象となります。)
岡部 優大さん5歳
Sony α57
Sony SAL55200-2 DT 55-200mm F4-5.6 SAM
ISO100 1/600秒 f10
WB:オート。
補正:Microsoft Office Picture Manager
撮影場所:スカイデッキ
総 評
伊藤久巳
何をどう撮るのかを明らかにしてほしいと、ぼくは事あることに言ってきた。今回は多くの方々にそれを実践していただけたと感じる。作品個々の狙いが鮮明で、拝見していて驚きさえ感じることもあった。ひと頃、乱用を極めた夕景、夜景も、コンテを踏まえた作品群へと変わっている。ご応募いただいた全員の作品群が支えるこのコンテストにとてつもない重みを感じている。皆さん、作品づくりのためにいっぱい考えていただいてありがとうございました。
ルーク・オザワ
今年で9年目。僕は初回から審査に携わっていますが年々レベルが上がっていると感じます。入選される方は地元の常連が多いのは事実ですが、彼らにもまた着実な進化が見てとれます。選ばれたからといって、決してそこで立ち止まらず、より良い絵は無いかというこだわりを持つことがさらなる進歩なると思います。入選された皆さん、おめでとうございます。
チャーリィ古庄
過去最高の応募作品数ですが、今回はこれまで以上にさまざまな方にチャンスがあり、色々な作品を拝見させていただきました。あと一歩で入選できなかったものは雲の位置や類似作品が多い、タイミングが悪いなどもありましたが、不適切な画像処理による落選も多くありました。アドバイスは表彰式会場で詳しくお話ししたいと思いますので、ぜひセントレアでお会いしましょう。
伊藤久巳
機体と管制塔にきっちりとピントを配して、バックにアウトフォーカスになった鈴鹿山脈をあしらう老獪さがニクいです。視程が抜けた冬の一日、事前に明確なコンテを描き、それを完遂してこれる技量が光ります。耐強風のための細かい露出設定も見逃せません。
ルーク・オザワ
今回で9年目を迎えますが、この絵は見たことなく非常に新鮮でした。超望遠レンズによる圧縮効果で鈴鹿の山が手にとるように近いのが圧巻。離陸する機体の位置とタワーとのバランスも絶妙ですね。セントレアらしさが出ていて素晴らしいです。
チャーリィ古庄
望遠レンズの圧縮効果を活かした作品です。立ち位置、光線状態も良いですが、高性能な機材をしっかり使いこなす腕をお持ちですね。この日は強風との事でしたが、悪条件でも超望遠レンズを使い、ターミナルや管制塔の配置など絵作りも計算されていることが伝わってきます。