2009年
最優秀賞 (1名)

伊藤 康史さん
Nikon D50
TAMRON SP AF200-500mm f/5.6-6.3 Di if
ISO200 1/400 F10
WB : 曇天
補正 : Nikon picture project 輪郭強調
撮影場所 : セントレア対岸
優秀賞 (5名)
千達 哲史さん
Nikon D300
Nikon AF-S VR Zoom-Nikkor ED70-200mm f/2.8G(IF)
ISO100 1/500 F7.1
WB : 自動
補正 : Nikon Capture NX2にて露出補正をマイナスに補正。コントラストをプラスに補正。カラーコントロールポイントを使用して空の青色を濃くし、雲を引き立たせる。ワイド四つ切サイズにトリミング
撮影場所 : スカイデッキ
伊藤久巳
素晴らしい青空とブルーマーキングが美しい747-400が同系色の見事なトーンを演出しています。見た印象通りにきちんと画像処理する実力も見逃せません。
ルーク・オザワ
台風一過の抜けた空に舞い上がる747-400。絶妙なタイミングでシャッターを切りましたね。この角度が一番カッコいいです。
牧野 精一さん
Nikon D3
75-300mm f4.5-5.6
ISO1600 1/2 F13
WB : オートB5.0
補正 : Nikon Capture NX2にて現像。Photoshopでサイズ加工。色微調整後、銀塩プリント出力
撮影場所 : スカイデッキ
伊藤久巳
コントラストが強くなる光線のことをよく考えた上で、機体の金属の冷たい感じを表現しました。バックの飛行機群が右側に寄り、左側は闇になっている構成も効いています。
ルーク・オザワ
空港照明に輝く夜。そして雨が美しさを演出してくれています。機体全体のディテールも出ていて、きれいに仕上がっていますね。
豊田 将之さん
Canon EOS40D
EF75-300mm f4-5.6 IS USM
ISO200 1/1600 F18.0
WB : PLフィルター使用、WB日陰
補正 : DPPにて現像後、Photoshopで微調整
撮影場所 : スカイデッキ
伊藤久巳
夕陽に輝く海面の絶好の位置に離陸するQ400を置きました。単なるシルエットに留まらず、力強さまでも十分に持っています。コクピットの窓のバックの光もいいです。
ルーク・オザワ
ドンピシャとはこの時ための言葉ですね。セントレアでは海の幅が浅いため、なかなかこういう風には収まらないのが常です。水平もきれいに取れていますね。
延原 真さん
Nikon D300
Nikon AF-S VR ED70-300mm F4.5-5.6G
ISO200 1/1600 F10
WB : オート
補正 : Nikon Capture NXを使用。RAW撮影データに、彩度、シャープネス、コントラストなどを補正
撮影場所 : スカイデッキ
伊藤久巳
夕方の柔らかな光の中、747LCFが大きな影をともなって離陸していきます。逆光線でも機体をつぶしてしまうことなく、夕方の空気感がとてもよく表現されています。
ルーク・オザワ
セントレアデビューにしてこの状況に出逢えるとは幸運ですね。海、空、そして芝の緑がドリームリフターを引き立たせています。
伊藤久巳
半円形のイルミネーションが雨に濡れた反射を拾って、綺麗な円形を描きました。そしてバックに光るイルミネーションでシルエットになったカップル。最高です。
ルーク・オザワ
雨上がりのスカイデッキにイルミネーションが映り込み、そこにカップルの姿。ドラマチックなシーンに酔いしれそうです。
特別賞 (6名)
水野 直人さん
Olympus E-3(DIGITAL)
Olympus ZUIKO DIGITAL ED50-200mm F2.8-3.5 SWD
ISO100 1/800 F5.6
WB : オート
補正 : Apple iPhoto8にて傾き補正及びトリミング
撮影場所 : スカイデッキ
伊藤久巳
このA330のようにカラフルなマーキングの機体は見る者を楽しくさせてくれます。離陸直後の最高の瞬間にきちんとシャッターが切れています。
ルーク・オザワ
チャーターで来たエーデルワイス航空ですね。バックの青空とは対照的に派手なカラーリングがひと際目立って美しいです。
伊藤久巳
消防車による歓迎の放水アーチは機体が小さくなりがちで難しい被写体ですが、この作品ではとてもいい角度で機体を大きめに捉えました。放水の感じが何とも言えません。
ルーク・オザワ
こういったシーンはどこから狙おうか考えてしまいますが、引きで両サイドの消防車を入れ、なおかつ雲ひとつ無い青空を取り込んだことで美しく仕上がっていますね。
渡辺 泰弘さん
Nikon D200
Nikon AF-I ED300mm F2.8D
ISO100 1/1000 F8
WB : オート
補正 : Nikon Capture NX2にて夕方の雰囲気を出すためWBを調整
撮影場所 : セントレア臨時駐車場
伊藤久巳
747LCFの巨大な機体に輝く逆光線がオレンジ色に染まりました。シルエットになったエンジンやメインギア群、それにエンジンブラストに揺れる背景が絶妙です。
ルーク・オザワ
あえて逆光で捉えたドリームリフターとのことですが、ディテールが美しく出ていて改めてその形の凄さを思い知らされました。
木全 明
Canon EOS1D MarkII
EF500mm F4L IS
ISO200 1/2500 F5.6
WB : オート
補正 : DPPにて現像後、PhotoshopCS2で自動レベル補正コントラスト+5、ハイライト5%補正
撮影場所 : スカイデッキ
伊藤久巳
747-400の離陸を迫力あるノーズアップで的確に切り取りました。エアボーン直後のいい瞬間、いい表情です。バックの景色の露出を切り詰めたのも、とてもいいです。
ルーク・オザワ
ランウェイのセンターにあるスカイデッキからでは、747の離陸を正面がちに撮れるのはこの成田行きのみでしょう。そこを狙ったショットは迫力満点です。
田中 勝志さん
Canon EOS40D
EF100-400mm F4.5-5.6L IS
ISO200 1/500 F13.0 +1/3
WB : 太陽光
補正 : なし
撮影場所 : りんくう南駐車場
伊藤久巳
セントレアといったら名鉄の「ミュースカイ」は切り離せません。離陸したA340を画面に大きく入れつつ、よくぞ列車にまで神経を行き届かせたものです。
ルーク・オザワ
これまた絶妙なタイミングですね。ヒコーキのバランスが最高です。これを撮るまでどれほど待ったのか想像がつきます。
伊藤久巳
737が綺麗に並んだシーンをよくぞ見逃しませんでした。同じ機種がこれだけ揃うと壮観です。セントレアに多く集まる機種ですから、ここの感じがよく表現されています。
ルーク・オザワ
セントレアの国内線スポット繰りはある意味、面白いです。その日の状況によっては、こんな並びもあるんですね。僕はまだ出逢ったことがないです。
総 評
伊藤久巳
応募作品全体を拝見して、また今年も気が引き締まる思いで審査に臨ませていただいた。一層のレベルアップに息を飲んだからだ。年々、回を重ねるごとに作品のレベルは洗練されていき、今年はまた一段と素晴らしい作品群に囲まれることになった。応募条件に「セントレアでの撮影」という項目を挙げている以上、カメラポジションは限られたセントレアの空港島の中、あるいは対岸を含めたその周囲だけに限定されるというハンデがある。しかしそれにも関わらず場所の選定はもちろんのこと、時間帯、光線、機体以外のモチーフの取り入れ方などあらゆる点でコンテを錬り、実践していただいた結果がこのレベルの高さに直結しているのだろう。多くの参加者が単なる偶然に頼っていないことはきちんと了解している。また、今回の特徴は機体をアップで捉えた作品が少しばかり増えてきたこと。景色を大きく取り入れる方法も、対して機体をアップにして時として切り取ってしまう方法も、どちらも正統派の飛行機写真だ。前からでも横からでも、アップで撮ることは、迫力の表現というものへの大きな有効打となる。この調子で「時にはアップで」という一つの引き出しを皆さんにはぜひ持っていただきたい。 今回も数多くの秀作の中からたったの12点の作品を選び出す苦労を味わったが、受賞作はいずれも清々しく、審査後はこちらも同じ気持ちになった。だが、紙一重で涙を飲まざるを得なかった他の写真群にも心から敬意を表したい。すばらしい作品をありがとうございました。
ルーク・オザワ
4回目を迎えたセントレアフォトコンテスト。昨年に比べ応募点数が増え、審査する側も楽しい時間を過ごさせていただいた。というのも、海上空港ゆえに撮影範囲が限られるなか、9割を占めたスカイデッキからの作品の中でも、空の表情、光の使い方を駆使して皆さんが新鮮な絵作りにチャレンジしている様が見て取れたからだ。フィルムで撮ると逆光はどうしても潰れてしまいシルエット写真になってしまうが、デジタルカメラの恩恵で、逆光でも美しい表現が感じ取れた作品が多かった。特に予想通り、応募多数だったボーイング747LCFの作品は、普段見慣れていない僕にとってはとても新鮮で、LCFだけでもカレンダーが出来るのではないかと思うくらい素晴らしい作品ばかりだった。限られた場所、限られた時間の中でも、いつも見ている風景の中から新たな絵を見出して今後の作品作りを頑張っていただきたいと思います。
月刊エアライン編集部
セントレアという枠の中でも、撮影者の皆さんが知恵を絞って新たな構図に挑み、限りある時間の中で最高の瞬間を逃さないようにと、じっとカメラを構える様子が目に浮かぶような力作揃いでした。審査会も終盤になると、伊藤、オザワ両氏とも、じっと黙って唸る場面がありました。泣く泣く選外にした作品も多く、いっそ紹介したい気持ちですが、それらの頂点に立った12点には心からに拍手をお送りします。そして今回ご応募いただいたすべての皆さんに御礼申し上げます。
伊藤久巳
対岸からのショット。夕景のウインドサーファーのいいシルエットを捉えながら、バックにアプローチするA330を絶好のポジションに配しました。
ルーク・オザワ
暮れなずむ伊勢湾で楽しむウインドサーファーの向こうにアプローチ中のA330。「待つ」ことで撮れた作品です。ウインドサーファーのバランスとヒコーキの位置が、いい感じです。