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2019年入賞作品

最優秀賞 (1名)

榛葉広さん

Canon EOS 7D Mark Ⅱ
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS ⅡUSM
ISO160 1/1000 f5.0
WB:オート 補正:Adobe Photoshop でサイズ調整、色調整、銀塩プリント
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

一千点を超える応募作に目を通す中、この作品にはハッとさせられた。もちろんその時点では誰が撮ったものか分からないが、入選が最終決定し、撮影者を確認すると、かつても雪の作品で最優秀賞を獲った榛葉さんだった。この1年間でどれほど空港に足を運んだのだろう。偶然を必然に変えたことで、この決定的チャンスに巡りあった。

伊藤久巳

逆光の晴れの構図に、なんと雪の粒を写し込んでしまった。空から海にかけて4色ながらモノトーンの世界が広がり、ランウェイ上にはこれまたモノトーンのスターフライヤーA320。憎いなぁ。ランウェイ上のゴーストは処理すべきだったが、それでも最優秀賞は揺るがなかった。撮影している状況をつぶさに観察し、その状況に合致した画面構築に感服。

チャーリィ古庄

目にした瞬間、「これは入るだろう」と直感した程、引き込まれた作品です。ランウェイ上のゴーストについては「処理をしていない?」「敢えてしなかった?」と最優秀賞とするか否かについて大いに議論が交わされましたが、他の作品と比べてピカイチの条件、プリントから伝わる現場の音や風に、最後は満場一致でした。

優秀賞 (2名)

加藤学さん

Nikon D5
Nikon AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR
ISO200 1/2000 f8
WB:晴天 補正:Adobe Lightroom CC で現像、サイズ加工。色調整後、銀塩プリント出力
撮影場所:東横イン 中部国際空港1 立体駐車場

ルーク・オザワ

撮れそうで撮れないシーンです。600ミリ超望遠を駆使して立ち位置を探し、このバランスで見事に捉えました。撮影場所によっては管制塔の方が大きく、ヒコーキは小さくなるのでバランス構成が難しいのですが、お見事です。

伊藤久巳

管制塔を入れた構図だが「機体は何が何でも600ミリで」という執念が見事に実を結んだ。なかなか難しいと思うが、管制塔から飛び出した737を最高のタイミングで捉えている。機体のギアがすべてアップしたクリーン状態なのも好感。

チャーリィ古庄

管制塔を入れたカットは過去にもありましたが、これ程の圧縮効果と迫力、そして機体の位置などもあわせ、極めて完成度の高い作品です。これを撮った苦労と失敗作の数、撮影者にしか分からない悩みや作品に昇華するまでのドラマを聞いてみたくなります。

八木和貴さん

Nikon D850
Nikon AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR+AF-S TELECONVERTER TC-14E Ⅲ
ISO64 1/200 f32
WB:5260K
補正:Nikon Capture NX-D で現像。Adobe CS2 で色調等再調整、シャープネス等
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

ベテランらしい作品ですね。目で見えるシーンでは無く、500ミリ超望遠で切り取った写真ならではの表現。狙ったところには、なかなか来ないのがヒコーキ写真ですが、光り輝く海のワンチャンスをドンピシャで捉えたのは流石です。

伊藤久巳

換算700ミリにしてこの的確な構図。技術の高さを感じる作品だ。D850 の通常感度ギリギリまで落としてのシャッター速度1/200も納得。海面の反射がピークの場所を機首からあえて外している点、その反射をノーズのディテール表現に使っている点にも唸る。

チャーリィ古庄

超望遠レンズでの流し撮りという難易度の高い作品。八木さんの別カットも素晴らしいものがありましたが、大きくプリントしてもピントがキッチリ来ている、こちらの作品がセレクトされました。展示会場の大きなプリントで見たい作品です。

特別賞 (3名)

後藤由紀さん

Canon EOS 70D
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
ISO640 1/250 f8
WB:オート 補正:Adobe Photoshop にてトーンカーブ補正、色調整、サイズ調整
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

対岸の山の稜線が美しく、アンバー系色の空もまた好いです。747LCFのLCFらしさも、このアングルから読み取れます。リビングの壁に飾りたくなるような作品ですね。

伊藤久巳

背景の境目に機体をかけることなく、オレンジ色の空に747LCFを埋め込んだことが最大の勝因。四発機のエンジンが総て見えるアングルから、機体を格好よく撮ろうという意識が窺える。ボディ中央の反射がディテールを表現している点にも注目したい。

チャーリィ古庄

上に雲、下は半島、そしてその間のクリーム色の空にLCFを入れました。ボディサイドの輝きも美しく、画像処理も適切に色を出しているところに好感が持てました。

沢田竹浩さん

Nikon D500
Nikon AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
ISO800 1/1000 f16
WB:オート 補正:Nikon View NX2 でトリミング、明るさ微調整
撮影場所:常滑市 樽水港

ルーク・オザワ

夕刻の管制塔シルエットと機影の作品は多いですが、これがダントツでした。キャビン窓とコクピットまで光が抜けているものは唯一。大型機ではこうはならなかったでしょう。737で正解でしたね。

伊藤久巳

離陸した機体がここを通るというコンテをしっかりと描いて粘り、待った結果がこの作品だ。下の雲が機体にわずかにかかっていながら、エンジンの排気に太陽光が入って機体のディテールが損なわれていないことも勝因。

チャーリィ古庄

機体と管制塔の位置関係はもちろん、シルエットと太陽の位置も完璧。機体の窓やコクピットの光が抜けているのも、この写真のポイントです。セントレアではまだまだ新たな作品が撮れると思わせる一枚です。

相原一郎さん

Nikon D500
Nikon AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
ISO1600 1/1250 f5.6
WB:オート 補正:Adobe Photoshop にて現像後、Nikon Capture NX で部分補正
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

ベイパーという現象はエアボーンしてからでないと、出るか出ないかわからない。そこで相原さんは不安定な空の中、離陸機を追うことでこの作品を捉えたのでしょう。目で見えてから追うのでは後の祭り。予想予測の結果です。

伊藤久巳

離陸する機体を横に貫く、ウイングチップからの濃いベイパー。これが出ると確信して機体を追い続けた勝利だろう。沈みがちにならず、それでいて黒も締まった見事な雨の構図を生み出した画像処理も的確だった。

チャーリィ古庄

雨の写真は少ないですが、カレンダーでメリハリを出すにはうってつけです。A330特有の翼端ベイパー、エンジンブラストもいい感じに出ていて、ベイパーに目線が行くフレーミングも絶妙でしょう。

セントレア賞 (6名)

吉村裕司さん

Nikon D7200
Sigma 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
ISO280 1/800 f9.5
WB:オート 補正:Nikon View NX-iにて輪郭強調、明るさ調整
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

僕もこのシーンを狙いに早朝のスカイデッキに何度も行っていますが、全機ANAは経験がありません。陽炎も出やすいのですが綺麗に表現できています。通いつめた結果ですね。

伊藤久巳

全10機ものANA機で手前はQ400、奥は737と綺麗に分かれ、最高に印象的な作品になった。ただの偶然なようだが、10機の機体が極力すべて隠れないポジション取りをした努力も見逃せない。

チャーリィ古庄

朝のセントレアでは日常の光景ですが「行けば撮れると思うな」がこの写真で、全機ANAとは私も見たことがありません。退役が迫る737-500も居り、カレンダーに使えるのは今年まで。お見事です。

奥村直之さん

Canon EOS 5D Mark Ⅳ
Canon EF16-35mm F4L IS USM
ISO250 1/640 f8.0
WB:オート
補正:RAW撮影。Adobe Lightroomでコントラスト、トーンカーブを修正して現像
撮影場所:空港島北側の誘導灯付近にて、船舶から撮影

ルーク・オザワ

穏やかな海とはいえ、揺れが全く無いわけではないのでしょうが、水平もきちんと取れて気持ち好く、白い橋脚が空の雲となじんで機体に目がいきます。どこでシャッターを切るか、画角はどうするかと悩んだ様子も偲ばれます。

伊藤久巳

雲が印象的な表情なのを見逃さず、広角レンズを使い、進入灯横に船を導いたことが勝因。見上げる構図、そこに主翼幅の大きいA350が来て、完結した。海上の進入灯は脚だけでなく灯具も写し込むことが大切だ。

チャーリィ古庄

他の応募者による類似カットもありましたが、アングル、機体の位置、プリントの美しさに加え、キャセイのA350ということもあっての入選です。さらに対角線の構図、シャドー部の色味、進入灯がある側から撮った点も評価できます。

大屋昭紀さん

Canon EOS 7D Mark Ⅱ
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
ISO200 1/1250 f8
WB:オート
補正:Canon Digital Photo Professional にて現像。Adobe Photoshopでサイズ加工、色調整後、銀塩プリント出力
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

カレンダーには欠かせない冬のシーン。雪山をバックにJALの787がテイクオフし、翼がしなってその美しさが表現されている絶妙なところをエアボーン。元旦から納得がいったことでしょう。

伊藤久巳

セントレアお決まりの構図でも、晴天順光でも、まったく問題はなし。こうしてきちんと撮りさえすれば十分に作品として通用するという見本だ。機体全体が見えている点、右主翼がボディから抜けた点もいい。

チャーリィ古庄

冬の作品もJALの作品も少ない印象でしたが、視程が良く、積雪のある山をバックに離陸する787。冬のシーンにふさわしく、色味もキレイで最終選考までスムーズに残りました。

車川浩司さん

Nikon D850
Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
ISO200 1/350 f8
WB:オート 補正:かすみの除去ほか
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

カレンダーにうってつけな夏のシーン。まさにこの瞬間に、離陸機が欲しいというところへ引き寄せました。国際線機でもここで上がっていくんですね。勉強になりました。

伊藤久巳

いかにも夏という空の表情を見逃さず、思い切った仰角のアングルとした印象的な作品。望遠レンズでは決して表現できない濃紺の空がすばらしく、またそこに浮かぶ白い雲も的確な白色で表現してみせた。

チャーリィ古庄

入道雲と青い空が分かりやすく、カレンダーに入れたくなる夏らしい一枚です。機体の白の階調もギリギリ白飛びせず、プリントの完成度も高いものになりました。

伊藤秀樹さん

Canon EOS 5D Mark Ⅲ
Canon EF24-105mm F4L IS Ⅱ USM
ISO400 0.8秒 f7.1
WB:オート 補正:Adobe Lightroomにてコントラストと彩度・明度の調整
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

セントレアの屋根はフォトジェニックなところがあります。光をうまく使い、空がブルーモーメントのタイミングでTG機を待ち受けるとは、相当な労力だったでしょう。この日は空も好い感じに仕上がりましたね。

伊藤久巳

残照と雲の織りなす空の、まるで川の流れのような光の帯が幻想的。色については機体のホワイトバランスが取れているので、屋根部分の印象的なブルーはかえって良い効果を生んでいる。

チャーリィ古庄

「色温度が低すぎて、青が強すぎるのがどうか」が議論になりましたが、セントレアの特徴である屋根にブルーが輝いており、入選となりました。タキシング機をブラして静と動を微かに見せているのもポイントでしょう。

松尾明憲さん

Nikon D500
Nikon AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
ISO450 1/1600 f10.0
WB:オート 補正:コントラスト調整
撮影場所:スカイデッキ

ルーク・オザワ

セントレア名物の「並び」ショット。実は昨年のカットも松尾さんでしたが、入賞後もさらなるこだわりを持って狙う姿勢が素晴らしいです。今年のジンベエザメはさくらでした。

伊藤久巳

並びの真横でありながら、手前の機体の陰になってしまう部分が極力少なく、ノーズでいえばわずかに一番奥のQ400だけが搭乗橋に隠れている状態。ここまで考えて撮影されれば立派な作品だ。

チャーリィ古庄

これも撮影に至るまでの苦労話が聞きたくなる作品です。手前はさくらジンベイジェットで華やかさを演出、並び方も奥が737-700とバランスが完璧でラインナップも素晴らしいです。

新人賞(2名)(セントレアフォトコンテスト応募3回目までの方が対象となります。)

井上貴智さん

Canon EOS 7D Mark Ⅱ
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
ISO640 1/800 f9
WB:オート 補正:Canon Digital Photo Professionalにてコントラスト、シャープネス補正
撮影場所:常滑市内

林 和矢さん

Canon EOS 7D Mark Ⅱ
Canon EF70-300mm F4-5.6L IS USM
ISO100 1/1000 f8
WB:オート 補正:Adobe Lightroomにてコントラスト、彩度等
撮影場所:スカイデッキ

空美賞(1名)(女性の方が対象となります。)

太田 愛さん

Nikon D750
Nikon AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
ISO400 1/2500 f8
WB:オート 補正:Adobe Lightroom、Photoshopにて現像、調整処理
撮影場所:スカイデッキ

ヤング賞(1名)(小学校4年生~高校生・高専生の方の応募が対象となります。)

西岡優希さん11歳

Canon EOS Kiss X7
Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
ISO100 1/1250 f5
WB:手動 補正:Canon Digital Professionalでトーンカーブの調整、トリミング
撮影場所:スカイデッキ

総 評

ルーク・オザワ

例年に比べてヒコーキがメインとなる作品が多く、目立つ色合いのものもかなりあって、最終選考ではかなりの時間を要した。結果的にはオーバーコントロールの作品が涙を呑んだ印象だ。表彰式で毎年僕が語ることだが、このコンテストの目的はセントレアカレンダーにある。よって求められるのは「季節感」と「セントレアらしさ」だ。一般のフォトコンテストであれば間違いなく入選するはずの作品が多数あったことをお伝えしておきたい。ちなみに昨年をはるかに上回る応募総数「1011」には、審査員全員が反応した。

伊藤久巳

「挑戦」。審査が進むにつれ頭に浮かんだのは、この言葉だった。作品の一枚一枚に目を通している間も、そこから挑戦する「気」が伝わってきた。そのたびに、より真剣に、もっと真剣に作品群と対峙した。改めてレベルが高いと感じる1,011枚との真剣勝負に我々は全身全霊で答えを出し、入選作品を決定した。「基本は晴天順光」、「風景写真ではなく機体で勝負」と僕は常々言ってきたが、受け入れてくれた方々が相当数いたことも感じた。私が嬉しいばかりでなく、入選作品のバリエーションを広げる観点からも大きなプラスとなった。

チャーリィ古庄

過去最高となる応募作品数を前に、我々審査員も撮影者の思いが込められた一枚一枚と向き合い、楽しく選考させていただきました。例年ハイレベルなフォトコンテストですが、デジタル写真の宿命とでも言うべきか、プリントでの応募が条件にもかかわらず、行き過ぎた画像処理(色ノイズ、シャープネスの効かせすぎ、コントラストの上げすぎで写真の階調が失われる)が目立ちました。プリント出力の色の悪さや色被りなども残念でしたが、それらを解消すれば入賞したはずの作品は多数あります。何が足りなかったのかは、表彰式の会場で解説させていただきたいと思います。