最優秀賞 (1名)

荒川宮男さん
Nikon D7200
Nikon AI AF-S Nikkor ED 600mm F4D Ⅱ(IF)
+AI AF-I Teleconverter TC-14E
ISO100 1/1500秒 f8
WB:オート
補正:Capture ND-Xで明るさを調整
撮影場所:常滑市
優秀賞 (2名)
鈴木智子さん
Nikon D3S
Nikon AI AF-S Nikkor ED 500mm F4D Ⅱ(IF)
× AI AF-I Teleconverter TC-14E
ISO500 1/2500秒 f6.3
WB:5260K
補正:Capture NX2にて現像。Photoshopでサイズ加工、色微調整後、銀塩プリント出力
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
「セントレアか?」とも思わせる海の色。聞けば海が荒れるとこんな色が出現するそう。それを知った上での狙いだとすると、お見事。さらにセントレアを意識してか、フェンスを画面に取り込んだのも意識的だとすれば、なお上等。そのあたりを撮影者に聞いてみたいです。
伊藤久巳
まるで下地のサンゴ礁の海かと錯覚させる海面が現れたのを、鈴木さんが放っておくわけがない。エメラルドグリーンの中に機首を埋没させて切り取り、A320のコクピット窓にも、キャビン窓にも海面を抜く。黒いボディ上面の反射で機体のディテールがくっきり。
チャーリィ古庄
「本当にセントレア?那覇か?」という議論も出ましたが、フェンスからセントレアと断定。海の色が素晴らしいです。そこにモノトーンのスターフライヤー、ベテランの力量を感じさせる作品です。ドンピシャ真横で奥の窓まで抜けている点もポイントですね。
大屋昭紀さん
Canon EOS 7D MarkⅡ
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
ISO200 1/1250秒 f8
WB:オート
補正:Digital Photo Professionalにて現像。Photoshopでサイズ加工、色調整後、銀塩プリント出力
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
最初に目にした時、「おや?」っと思いました。実は僕もこのクルーズ船とヒコーキを羽田で絡めており、最新の写真集にも掲載しています。普段から実景を見ている諸兄であれば、見たことないシーンが現れれば、まず船を撮り、次はヒコーキと絡ませようと思うことでしょう。好い位置でエアボーンしましたね。水平も気持ちいいです。
伊藤久巳
総排水量13万トン超という超大型客船をきちんと視野に入れつつ、それをバックに離陸していくA320を自然な形でフレームに入れ込んだ。画面のどこにも無理がないことが勝因。前後関係では、速度が速い機体の方を手前に入れ込み、前方を空けているのもいい。
チャーリィ古庄
船と機体のバランスと位置、クリアな大気。まさに一瞬のチャンスをモノにした作品です。今年は大型客船の入港が多かったそうですが、巨大な船と飛行機がいい位置で絡んで、しかも順光になるチャンスは少なかったと思われます。最優秀賞候補にも残りました。
特別賞 (3名)
渡邉崇さん
Canon EOS-1D X
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
ISO100 1/1250秒 f8.0
WB:オート
補正:Lightroomにてトーンカーブ、彩度調整
撮影場所:りんくうビーチ
ルーク・オザワ
彩雲に絡むLCF。左バンクに寄ることで遠近感が生まれています。待つことで捉えられたと作者コメントにありますが、その時の感動を忘れずに、これからも予想予測の元で狙ってみてください。
伊藤久巳
ただの曇り日の747LCFの離陸が、空をきちんと観察していたことによって印象的な作品へと変わった。彩雲と見るや空を大きく取り入れ、同時にその露出を雲の明るさへと転じた技術点はかなり高い。
チャーリィ古庄
すごい彩雲と747LCF、まさに当フォトコンに入選すべき作品です。撮影データも文句なし。RWY36使用で、それほど多くは撮れそうではない、りんくうビーチで狙うという、まさに逆転の発想が作品に表れました。
牧野精一さん
Nikon D610
Nikon AI AF-S Nikkor ED 600mm F4D
ISO400 1/500秒 f5.6
WB:色温度 9090K
補正:Capture NX2にて現像。Photoshop でサイズ加工、色微調整後、銀塩プリント出力
撮影場所:常滑市内
ルーク・オザワ
作者の牧野さんは全11回中、今回で10回目の入選。セントレアを知り尽くしていると言っても過言ではない。ただ知り過ぎると逆に自己判断で逃すこともあるのだが、今年もまた期待通りの作品がやって来た。画面構成に非の打ちどころがありません。
伊藤久巳
まるで空母への輸送機の着艦を隣の駆逐艦の艦橋から見ているよう。夕陽が反射する海面にエンジンブラストを引いてランディングするシーンは泣かせる。簡単ではないレンズなのだが、こんな747をいとも簡単に捉え作品に仕立て上げてしまう力量に脱帽。
チャーリィ古庄
夕陽が名物のセントレアだけに、同様の作品は多々ありますが、特に素晴らしかったです。747のシルエットと海の輝き、影が手前に写るなどベテランらしくハイレベルな作品です。ホワイトバランスも作者の思い通りの色を表現していて、色彩も嫌味や不自然さが感じられません。
大川貴明さん
Canon EOS 7D MarkⅡ
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
+ EXTENDER EF1.4X Ⅲ
ISO2500 1/80秒 f8.0
WB:オート
補正:Photoshop Lightroom5で現像。色温度、トーンカーブ、コントラスト、シャープネス調整
撮影場所:臨時駐車場
ルーク・オザワ
東京から遠征し、地元を差し置いてLCFで入選を果たした大川さんは、数々のフォトコン常連でもあります。さすが光の扱いは抜群。輝くラインが見事に表現された作品ですね。
伊藤久巳
747LCFの特徴あるノーズ、ボディ、エンジンのディテールにだけ光を当て、そこだけでこの飛行機の迫力を表現してみせた。上空を雲が支配し、水平線の向こうに空いた空間から夕焼けが覗いた、おそらくわずかな時間を大川さんは無駄にはしなかった。
チャーリィ古庄
撮影データから推測するに、かなり暗い状況ですが、ノイズも少なくキレイな仕上がりになっています。風も強かったとの事で撮影時の苦労が伝わります。色は自然に見た目よりは少し濃いですがインパクトがあり、画面構成もお見事です。
セントレア賞 (6名)
車川浩司さん
Nikon D7100
Nikon AF-S DX Nikkor 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
ISO400 1/1000秒 f5.6
WB:オート
補正:-
撮影場所:北側ランプエリア(ランプバス内)
ルーク・オザワ
移動中のバスの中からガラス越しでの撮影。強い日差しと夏のイメージが決め手となりました。作者はLCF作品常連の車川さんと知り、一瞬固まりましたが、この続きは秋の表彰式でお話ししましょう。
伊藤久巳
セントレアにいる時間はどんな時でもムダにしない。そんな思いがひしひしと伝わり、非常にありがたい。2台のバスの向き、管制塔と767の位置、空の白雲。ただ適当にシャッターを切っただけではない。
チャーリィ古庄
LCFの作品で入選する常連ゆえ、「え?これが本当に?」と誰もが思いました。少々派手な色の仕上がりが気になりましたが、青空のお手本になりそうな作品です。青空バックの写真は意外と少ないので貴重でした。
伊賀上明さん
Nikon D5300
Sigma APO50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM
ISO200 1/1000秒 f11
WB:オート
補正:View NX2にてコントラスト、明るさを調整し現像
撮影場所:りんくう釣り護岸
ルーク・オザワ
日常的な着陸シーンですが、訴えてくるものを感じました。山の下の霞が効いていますね。それによって進入灯が浮かび上がり、ギラつく海面も素敵です。まるで絵画のような作品だと感じました。
伊藤久巳
光線の使い方、さらには海面への光線の反射は、何も朝や夕方だけのものではない。色温度の高い〈色が青い〉時間帯に積極的逆光を用いても、こうした印象的な作品になる。海上の静かな空気が伝わる。
チャーリィ古庄
海の煌めきが美しいですね。この光線状態では機体がシルエットになるのは仕方ありません、また機体を置いた位置、構図が見事。さらに777なので引いた絵でも機体が小さくならずにバランスが取れています。
内田昌人さん
Canon EOS 5D MarkⅢ
Tamron SP150-600mm F/5-6.3 Di VC USD
ISO100 1/800秒 f6.3
WB:オート
補正:Photoshop Elementsで明るさ、彩度補正
撮影場所:常滑市小脇公園
ルーク・オザワ
対岸の三重の山々の雪と透明感ある空気が冬を感じさせてくれます。まさにカレンダーに欲しいショット。ヒコーキはワンポイントでも問題ありません。「セントレアの冬」のイメージです。
伊藤久巳
何も言うことはない。まるで絵画を見るような見事な冬のセントレアだ。背景の山々の雪と雪雲のコントラストを見逃さず、その表情をたくさん画面に入れ込んだ点、機体の位置に練度の高さを感じる。
チャーリィ古庄
カレンダーに使いたくなる作品です。超望遠レンズの圧縮効果により雪山が近くに感じられ、またセントレアの建物もクリアに表現できています。強風での撮影との事ですが寒さと現場の雰囲気が伝わってくる作品です。
牧野一隆さん
Nikon D3
Tokina AT-X 840 D ISO3200
ISO3200 1/500秒 f5.6
WB:オート
補正:RAW撮影後、View NX2にて補正
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
対岸の山にかかる雲の作品は多く目にしますが、これはまた格別。時間帯も好いですね。雲海のような雲の表情も効いています。そこに絡む離陸機のタイミング。雲を隠す前のシャッターは絶妙かと。
伊藤久巳
夕陽が支配する赤い光線、雲が支配する青い光線。その二色の見事な融合がキーポイント。白いボディを両方の色に染めながら上昇していくA330は非常に印象的。エンジンブラストを写し込んでいる点もいい。
チャーリィ古庄
ブルーモーメントから残照の残る空のトーンが美しいです。画面が落ち着く黄金分割の構図で背景、機体の位置もまとまりがあります。雲も素晴らしい表情を見せ、主役の飛行機、脇役の雲、背景の建物とバランスがとれた作品です。
藤田昂志さん
Canon EOS 7D MarkⅡ
SIGMA APO 150-500mm F5-6.3 DG OS HSM
ISO400 1/1000秒 f7.1
WB:オート
補正:Digital Photo Professional 4で彩度を調整、トリミング
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
747LCFタッチダウンの瞬間、メインギアから舞い上がるタイヤスモークが逆光によって印象的になりました。スカイデッキのワイヤーフェンスのストレスもあるところ、水平も取れ好い作品です。恐るべし15歳。
伊藤久巳
ランディングする747LCFからのタイヤスモークが、この作品の合否を決した。その大きな機体の重量感をストレートに物語る。スモークがオレンジ色、半逆光の光線を存分に受けて反射している点もいい。
チャーリィ古庄
タッチダウンの白煙が逆光で強調されています。しかも747LCFなので重量感と迫力が感じられます。カメラもレンズも大人顔負けの装備でうらやましいです。望遠レンズの圧縮効果も感じられる素晴らしい作品です。
伊藤秀樹さん
Canon EOS 5D MarkⅢ
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
ISO640 1/3200秒 f8.0
WB:オート
補正:Lightroomにて露光量、コントラスト、彩度調整
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
こんな状況の時に限って、ヒコーキがいないものなんです。おそらく撮影できたのはこの1機のみだったのでは?いつこうなるか分からずとも「待つ」ことで出会える作品。美しいです。
伊藤久巳
これはまた見事な旭日だ。射し込んでくる陽光の数々を見逃さずにシャッターを切り、その後、光線の具合を見た通りの印象に仕上げた。色温度が低い〈赤い〉のは空と海だけに留めた不思議感もプラス。
チャーリィ古庄
美しくプリントを仕上げておられます。またチャンスを逃さずモノにする技術も素晴らしい。ひとつ気になるのはシャッター速度が早すぎる点ですが、それを差し引いても完成度の高い作品です。
新人賞(2名)(セントレアフォトコンテスト応募3回目までの方が対象となります。)
畑上照夫さん
Canon EOS 7D MarkⅡ
Canon EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM
ISO1250 0.4秒 f2.8
WB:オート
補正:RAW撮影、DPP現像、PSニュートラル、ガンマ調整、赤と青の彩度、明度、色相調整
撮影場所:スカイデッキ
近藤也寸則さん
Olympus OM-D E-M1
Olympus M.Zuiko Digital ED 75-300mm F4.8-6.7 Ⅱ
ISO1200 1/2000秒 f6.7
WB:オート
補正:Lightroom CC ハイライト&シャドウ調整
撮影場所:スカイデッキ
空美賞(1名)(女性の方が対象となります。)
小川理絵さん
Canon EOS 7D
Canon EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM
ISO200 1/640秒 f6.3
WB:オート
補正:Lightroomでシャドウ、コントラスト、トーンカーブ補正
撮影場所:スカイデッキ
ヤング賞(1名)(小学校4年生~高校生・高専生の方の応募が対象となります。)
山田優さん16歳
Canon EOS Kiss X7i
Sigma APO50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM
ISO1600 1/1600 f5.6
WB:オート
補正:なし
撮影場所:スカイデッキ
総 評
ルーク・オザワ
11 回を迎えたコンテスト。また審査員に選んでいただき、感謝です。審査をする側ではありますが、毎回セントレアの知らないシーンを数多く見つけるチャンスでもあり、僕も皆様の作品を取り込み、絵づくりの参考にしています。二度とないであろうシーンを見せてもらうのは好い刺激になります。海上空港という限られた立ち位置からの絵づくりは難儀で、どうしても同じような絵になりがちですが、光や色の使い方の違いがあり、今年も好い作品を選定できました。今年はレベルが高かったですね。
伊藤久巳
撮影された多くの作品に触れて思うことは皆さんの「セントレアへの愛着」だ。空港にこだわって撮影された多くの作品に囲まれると、とても幸せな気分に浸れるのは、その「愛」のためか。こんな場所もあるんだ、こんな撮り方ができるんだ。愛情を持って取り組んでいただいた作品群には溜め息すら出る。一方でそんなゆったりとした気分を、豪快な機首アップや迫力の切り取りが吹っ飛ばしてくれる。それもまた気持ちがいい。きちんと練って、積み重ねたコンテがどの作品も素晴らしい。たくさんの秀作、ありがとうございました。
チャーリィ古庄
誤解を恐れずに言うならば、昨年まではピントが合っていない、機体が切れている、ブレているなど初歩的ミスが多々見受けられたが、今年はそのような写真が減り、全体的な写真レベルが向上した。ただ応募作品のかなりの割合を夕景が占め、順光で気持ち良い青空の写真が少なく、気になった。青空写真はフォトジェニックになりづらい部分もあり、夕景夜景よりも撮るのが難しいが、素直な「キレイで気持ちいい写真」であれば、入選確率は競争率の高い夕景夜景より高くなること間違いなし。来年の課題は青空でよろしく!
ルーク・オザワ
他の作品を推す伊藤カメラマンと最後まで揉めましたが、僕は最後まで譲りませんでした。理由はこの作品には管制塔が入っていることで「セントレアらしさ」が含まれるからです。落ちゆく夕日と絶妙な位置に離陸機が絡む、まさに千載一遇のチャンスを対岸から捉えた作品。僕もこんなシーンを撮りたいです。
伊藤久巳
太陽を換算1,260mmという長焦点レンズで太陽を捉えながらも、画面の中心に管制塔を置き、かつその反対側に機体を配するという、計算し尽くされた荒川さんの作画の勝利だ。やみくもに機体が太陽を突っ切る瞬間ばかりを狙いにいかなかったことは特筆に値する。管制塔などを濃くつぶしてしまうことのない、中庸なコントラストも好感。
チャーリィ古庄
審査員3人の意見が分かれましたが、「セントレアらしさ」を追求するとこの作品になりました。管制塔、太陽の位置、機体の位置、全てにおいて完成度が高い作品となっています。撮影機材も素晴らしいですが、作者の粘りと調査力、そしてアイデアと努力の結果を感じられる作品だと思います。