イベント
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伊賀上 明さん
Nikon D500
Sigma APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM0
ISO400 1/3200 f9
WB:オート 補正:Nikon ViewNX-i
で現像後、Luminar AI にて明るさ、コントラスト等を調整
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
1年を通してスカイデッキから狙える「夕空とヒコーキ」ですが、このショットは太陽の位置も含め、数々の条件が揃ってはじめて成立するもの。簡単に撮れる作品ではありません。まずこの位置で機体がエアボーンすること自体が少ない。さらに引きの構図で太陽まで写し込み、影を入れて、アンバー色にしたことで完璧に仕上がっています。ここに書き切れない内容は改めてお話ししますが、素晴らしい作品です。
伊藤久巳
長く伸びたA350の影までファインダーの中にきちんと捉え、認識していたことが最大の勝因だ。離陸した機体の位置、太陽の位置と海面の反射などのすべてが味方したが、それだけで最優秀賞に輝くことはできない。本来の被写体たる機体以外にもきちんと眼を向け、洞察することが、いかに大切かを今一度気付かせてくれる。
チャーリィ古庄
最優秀賞をどれにするか、審査の中で議論がありましたが、セントレアらしさ、撮れるタイミングや撮影位置、フレーミングを考えると本作が最優秀にふさわしいという結論に至りました。機体は最新鋭のエアバスA350で、影が地面に美しく写りこんでいます。狙ったものか、結果的にそうなったのかを本人に伺いたいですが、いずれにしても素敵な作品です。
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Nikon D850
Nikon AF-S Nikkor 500mm f/4E FL ED VR0
ISO320 1/50 f8
WB:5260K
補正:DXO PhotoLab 3 で現像。Affinity Photo でコントラスト、彩度等調整
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
八木さんはセントレア開港前の名古屋空港時代からの猛者。当時からその視点には一目を置いていましたが、今回も背景は満月の輝きでしょうか?そこをうまく使って、機体前部でカッチリと表現できています。客室の灯りがもう少し抜けていれば、尚良かったです。
伊藤久巳
離陸する737-800のコクピットが海面に抜け、「Positiveclimb!」「Gear up!」のコールアウトが、まさに聴こえてくる。そして後方には暖かいトーンキャビンライト。先の先まで読み切った撮影者の絶妙なホワイトバランスの設定が憎らしいほどに素晴らしい。
チャーリィ古庄
高価な超望遠レンズを持っていないと撮れない画です。でも持っていれば撮れる訳でもなく、経験と幾度もの失敗の上に成り立つ一枚だと思います。技術力はピカイチ!ホワイトバランスなど細かい設定までも考え抜かれた作品です。
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Canon EOS 5D Mark IV
Canon EF24-105mm F4L IS II USM0
ISO1250 1/400 f4
WB:オート
補正:Adobe Photoshop でサイズ調整、色調整、銀塩プリント
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
年間に相当な日数、セントレアに通っているベテランの榛葉さんらしいショット。朝、国内線機が並ぶ様子だけでなく、セントレアらしく管制塔も入れたことで、冬場の遅い日の出がタワーを美しく表現しました。朝焼け空の雲も、作品の盛り上げにひと役買っています。
伊藤久巳
顔を出した直後の真冬の朝陽が管制塔に当たる。地上には、ほぼフルスポットの機体。榛葉さんは明らかに眼の付けどころが違う。朝陽のオレンジ色の層とともに際立つのが、上空と地上のブルーの層。グラデーションではなく、一気に移り変わる色調が実に見事だ。
チャーリィ古庄
機体が並ぶ定番の構図ですが、最初は「おや?」と思いました。光が右手から差しているからです。この明るさで、右手(東)からの光線となれば冬の朝ということになります。しかもグラデーション、雲の雰囲気、難しい露出を上手にコントロールしていて、さすがベテランの技を感じます。
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Nikon D500
Nikon AF-S Nikkor 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR
ISO400 1/640 f8
WB:オート
使用フィルター:C-PL フィルター
補正:DxO PhotoLab3 で現像後、Nikon Capture NX2 でトリミングおよび最終調整
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
何気ないカットながら、心癒される仕上がりです。夏場のトップライトから真下に落ちる機影、気持ちのいい空と雲、整然と並ぶ照明灯。普段は駐機しているLCFの不在で、A350がさらに引き立っています。
伊藤久巳
手前の低高度の積雲。撮影者は夏の表現を最初から狙っていたのだ。PLフィルターを着けて慎重にシャッターを切る。白を白く表現しながら、けっして飛ぶことはない。凡庸なブロックアウト写真とは完全に一線を引いている。
チャーリィ古庄
まさに夏らしいカット。我々審査員はカレンダーにふさわしい、こういう写真を求めていました。このような作品の応募は意外に少なく、日中でも美しい写真を撮るのが簡単ではないことを物語っています。最新のA350である点も高評価です。
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Nikon D500
Sigma 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM
ISO100 1/2000 f9
WB:晴天 補正:トリミング、明度、彩度、コントラスト、シャープ補正
撮影場所:りんくう緑地
ルーク・オザワ
747LCFの上昇を目視するその先に彩雲を見つけた時は、「もしかしたら絡むかも?」と予想し、ファインダー越しにドキドキしたことでしょう。旋回中に見事に絡んできました。画面内に青空があったことで、良い作品になりましたね。
伊藤久巳
離陸した747LCFを待っていたのは、こんなオレンジ色の彩雲だった。ここまで見事にディパーチャーコースで待ち構える。そこに接近する機体各所のディテールが綺麗に浮かび上がった瞬間にシャッターを切った。
チャーリィ古庄
見事な彩雲と、その中を進むB747LCF。ベストコンディションをモノにしました。彩雲は見えづらいのに加えて、色を出すのも難しいのですが、適切な画像処理により嫌味がなく派手すぎず、バランスの良い色味に仕上がっています。
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Canon EOS 5D Mark IV
Sigma 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
ISO100 1/320 f6.3
WB:オート 補正:Adobe Photoshop Camera Raw にて明るさ、彩度調整
撮影場所:セントレアホテル(旧館11 階)
ルーク・オザワ
コロナ禍でセントレアならではの飛来機と言えば、アントノフAn-225。世界で唯一の機体をホテルの客室から仕留めるとは流石です。真横からのスポッター写真ですが、エンジン3機のリバースがアクセントになっています。
伊藤久巳
撮影者の完全な作戦勝ちだ。世界的にも超珍機種のAn-225を、緊急事態宣言下でどう撮影するかを考えた。真横の構図ながら、完全に風景飛行機写真へと昇華させた。3個並列の開放したエンジンリバーサーもユニーク。
チャーリィ古庄
An-225の作品は多かったですが、天気・視程良し、さらに「どこから撮っているの?」と思わせる画がポイントです。対岸の山々の稜線まで見えれば、さらにセントレアらしくなりそうですが、これも無駄のない構図です。
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Canon EOS 5D Mark IV
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM+Canon Extender EF1.4X III
ISO800 1/400 f10
WB:オート
補正:Adobe Photoshop Lightroom Classicにて、白レベル・黒レベルの調整、コントラストと彩度の調整
撮影場所:船上
ルーク・オザワ
海上の船から狙うのは意外に難しいのです。撮影位置をどこにでも取れますが、LCFのエアボーン地点を予測する必要があります。これを見事にクリアし、ターミナルを背景に捉えました。冬場ならではの青空も好いです。
伊藤久巳
船をチャーターし、747LCFの離陸を何気なく撮影しているが、コメントを読むと風が20ノット以上だったという。たしかに海上には白波。そんな中で100-400mmを的確にフレーミングした努力を買いたい。
チャーリィ古庄
ターミナルビル、セントレアホテルを背景にテイクオフするB747LCF。機体の位置も完璧で、順光で海上空港だと分かるテトラポット、色味、構図も優れています。
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Canon EOS 5D Mark IV
Canon EF70-200mm F2.8L USM
ISO10000 1/60 f3.2
WB:オート
補正:Adobe Photoshop Lightroomにてトリミング、色温度、彩度調整
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
第2ターミナルのジェットスター機が、今のセントレアを良く表現しています。薄暮の空を背景に、照明灯が作品性をさらに高めました。スポットが再び機体で埋まる日が戻って来ることを願った一枚です。
伊藤久巳
薄暮の空に規則正しく並んだエプロン照明灯が、良い色を出した。撮影者がこのシーンに引き付けられたのはきっとこれらが機体の背景にあったからで、ANAのホワイトで見事にホワイトバランスを取って再現した。
チャーリィ古庄
5社の尾翼が並ぶ国際線側。薄暮の時間帯のカクテル光線が美しく、色とりどりの翼が並びました。しかも奥にジェットスターの機体が入っていることで、第2ターミナルの存在も感じられます。
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Nikon D850
Nikon AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6E ED VR
ISO100 1/800 f5.6
WB:オート
補正:Nikon Capture NX-Dにて現像。露出、傾き補正
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
長年審査をやってきて、これまで1万点を超す作品を見てきましたが、こんな並びは初めてです。運良く仕留めましたね。機首を入れない切り取り方も素晴らしいです。
伊藤久巳
3社の737-800が2機ずつセット。そんなシーンに出くわして、すかさずシャッターを切った。雑多が入り込んでもいいから機体前方まで見たかった反面、テールだけ切り取ったのは、これはこれで良かったのかもしれない。
チャーリィ古庄
レアな並びですね。もっと全体が見たかったとも思いますが、障害物があったのでしょうか。手前から2機目がJTA機であるのもポイントです。背景の名古屋エアケータリング施設がセントレアらしさを出しました。
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Canon EOS 70D
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
ISO400 1/1600 f8
WB:オート
補正:Adobe Photoshopにでサイズ・色調整
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
広いスカイデッキの中、この位置で機体を斜めから捉えました。ランディング直前のA350の背景では雨上がりの様子も表現され、雲のグラデーションと、機体に当たる光も好いです。
伊藤久巳
極端な明るいトーンも暗いトーンも作らない。それでもフラットになりそうでいて、ならないギリギリのラインで闘った。モノトーンになってしまいそうなところ、太陽光に少しの色を求め、ACLの赤で画竜点睛といったところだろうか。
チャーリィ古庄
構図左側が翼端ギリギリなのが気になりますが、背景の山を見ると視程は良くても悪天候である様子が表現されています。陽炎が出そうなコンディションですが、早朝でそれも抑えられ、クリアで美しい仕上りです。
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Canon EOS-1D Mark II
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
ISO16000 1/80 f5
WB:オート
補正:Adobe Photoshop、Nikon Capture NX2にて色調整、トリミング
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
ノーズギアを右に切って自走タキシーアウトするシーン。シャッター速度が速すぎるとプロペラが止まって見えてしまう。機体は動き出しているので、遅すぎてもブレが発生しますが、絶妙な加減が素晴らしいです。
伊藤久巳
色々な光源が彷徨する中、ホワイトバランスがきちんととれた作品は気持ちがいい。こんな時はプロペラを一周させるべきと思ってはいるが、わずかに設けたスリットも躍動感を伝えるかもしれない。
チャーリィ古庄
プロペラが回って見える適切なシャッター速度で、自走スポットアウトを見事に捉えました。白飛びしそうな露出もキレイに抑え、階調がしっかり出ています。進行方向を空けた構図も無駄がなく、完成度の高い作品です。
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Nikon D750
Nikon AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6E ED VR
ISO250 1/2500 f8
WB:オート
補正:Adobe Photoshopにてサイズ調整、現像処理
撮影場所:スカイデッキ
ルーク・オザワ
セントレアの夕空は実に様々。風景写真は一期一会と良く言いますが、まさにそんな空です。コメントにもあるように、優しい色を見て、それを写真で優しく表現できたのはベテランの成せる業でしょうか。
伊藤久巳
色を無理に濃く出さず、明るすぎもせず、中庸な表現を心掛けた。それでいて夕陽のオレンジ色、それに染まった海面のオレンジ色は確実に主張する。コクピットやキャビンの窓にオレンジ色が覗くのもいい。
チャーリィ古庄
水平線がわずかに下がっているのが気になりますが、視程の良い夕景のテイクオフ。セントレアではANAより便数が少ないJALをしっかり狙いました。窓から抜けた光もポイントです。
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セントレアフォトコンテスト応募3回目までの方が対象となります。
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Canon EOS 5D Mark IV
Canon EF500mm F4L IS II USM
ISO160 1/500 f5
WB:晴れ 使用フィルター:円偏光フィルター
補正:Digital Photo Professionalにて現像後、Adobe Photoshop Lightroomで明瞭度、かすみの除去、黒レベル、色の濃さを調整
撮影場所:スカイデッキ
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Canon EOS 5D Mark IV
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
ISO1600 1/320 f6.3
WB:オート 補正:Adobe Lightroom CCで露光量、コントラスト、シャドウ白レベルの調整
撮影場所:スカイデッキ
※ | 女性の方が対象となります。 |
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Canon EOS Kiss M
Canon EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM
ISO250 1/1000 f10
WB:オート 補正:Windows Photoでホワイトバランス、明るさを調整して、トリミングしてからカメラ店でプリント
撮影場所:スカイデッキ
※ | 小学校4年生~高校生・高専生の方の応募が対象となります。 |
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Canon EOS 90D
Canon EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS
ISO200 1/640 f10
WB:オート
補正:Digital Photo Professional4にて、ホワイトバランス、コントラスト調整
撮影場所:スカイデッキ
総 評
ルーク・オザワ
16 年目の審査会。昨年は羽田で飛行機を見ながらだったが、今年は例年通りイカロス出版の会議室に戻った。とはいえ相変わらずの減便運航が続いており、僕もこの1 年でセントレアには一度しか行っていない。応募総数が減ることは予想できたので、審査会場に向かう途中、頭の中では最悪の事態も想定した。該当作が無ければ、7 作品でのカレンダー化を提案すべきか? しかし結果として、そんな心配は必要なく、例年通り好い作品で構成することが出来、嬉しかった。
伊藤久巳
応募点数は例年より少し減ったが、作品に目を通していくと、それぞれの作者の思い、熱意がいつも通りに伝わってきた。撮影時の苦労も同様だ。それなら我々もやれる中でベストを尽くすだけだ。去年に続きコロナ禍での審査となったが、作品群に元気をいただきながら、秀作を選出した。レベルが落ちていないのは、さすがと言うしかない。ありがとうございました。
チャーリィ古庄
緊急事態宣言や続くコロナ禍で、飛行機を撮りに空港を訪れる人も例年より少なかった。さらに減便により撮影チャンスも減るので、応募点数は例年より減少となった。チャンスが減ればクオリティにも影響が生じ、受賞作の選出には例年よりも苦労したが、それでも結果として審査する側も納得の作品が並んだ。今回応募が少ないと感じたのは、迫力あるアップのカットと夏の画。次回は、それらが多く集まればと願っている。