イベント
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榛葉 広さん
CANON EOS 5D Mark Ⅳ
EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM 1/40 f3.5 ISO4000
WB:オート
備考:Adobe Photoshopでサイズ調整、色調整、銀塩プリント
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:黄金色の夕焼け空、ロゴライトに照らされた垂直尾翼がとても綺麗なことに気付きました。背景を流し、機体が引き立つように撮影しました。
ルーク・オザワ
近年のセントレアフォトコンにおける“王者”とも言うべき入賞者が最優秀に返り咲いた。毎年表彰式では必ずお会いする。それもそのはず、彼のセントレアでの撮影日数は桁違い。だが数行けば良い写真が撮れるかと言えば、決してそうではない。運と見る目があるかどうかだ。この状況を適切な設定で見事にブレずに捉えた彼の腕は最優秀に値する。おめでとう。
伊藤久巳
A320のリフトオフをわずかに斜め前から狙ってアプローチライトそのものを写し込み、その滑走路面への照射を浮かび上がらせ、離陸というものをきちんと伝える。滑走路中央標識が滑走路面をほどよく強調する。そして、キャビン窓の光、海面の反射、対岸の山と街の灯、夕焼け空をバランスのいい明るさで足し、榛葉ワールドが完成した。
チャーリィ古庄
A320が離陸するシーンを軽く流すことにより動きを伝えながら、背景の山や海からセントレアだということを見る人に伝えています。機体がローテーションした位置、機体を置いた場所、適切な画像処理による尾翼とノーズライトの表現、そして客室の灯りにより、これから旅立つ機内の様子まで空想することができる完成度の高い仕上がりになりました。
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CANON EOS R6
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM 1/1600 f5.0 ISO100
WB:くもり
備考:Digital Photo Professional 4にてシャープネス、明瞭度調整
撮影場所:りんくうビーチ
ご本人コメント:夕日にささるLCFを撮ろうとスタンバイしていた。わずかに時差があってささらなかったが、りんくうビーチと絡めて良い写真が撮れました。
ルーク・オザワ
新鮮なアングルに選者一同声を上げた。椰子の木のシルエットを輝く海の水平線に合わせ、わずかな地上のシルエットによって画面を締めたところは憎い。雲一つない夕空が747LCFをひと際目立たせて、目を引く結果になった。夕日に刺さるより、僕はこちらの方が好きだ。
伊藤久巳
747LCFの特徴あるシルエットを、こんな理想的な画面で使ってしまうのだからすごい。パスが太陽から外れたことを悔やむが、すぐにこの広い構図を再構築することによって、それ以上の結果を得たと思う。機体、太陽、奥の船、手前の木々、すべてを瞬時に配置した勝利だ。
チャーリィ古庄
南風運用で、まるで夏のような(撮影は3月)木々の間を747 LCFが降りてくる。これだけでもなかなかない状況なのに、日没のタイミング、適切な露出、全てが整った一枚です。伴を握ったのはタイミングですが、何よりも、それを作品に仕上げる技術が必要。この作品には文句のつけようがありません。脱帽です。
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NIKON D6
AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR 1/20 f5.6 ISO16000
WB:2500K
備考:DxO PureRAW 2でノイズ除去。Lightroom Classic v12にて露出、彩度、コントラスト、傾きなどを補正
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:F1チャーター便として着陸したカタール航空の777F。ブレーキ温度が高くなったためか、直前のゲリラ豪雨で濡れている路面をタキシーすると車輪周辺で蒸気が発生。それをビーコンライトの光を使って表現しました。
ルーク・オザワ
タキシング中、カタールのロゴとエンジンが望遠レンズの圧縮効果で印象的に表現できるこの位置で、タイミング良く、難易度の高い777のビーコンライトを捉えた。これにより作者の狙いであるメインギアからの水煙を印象的に表現した、ポイントの高い作品である。
伊藤久巳
被写体は最大着陸重量の大きい777F、コクピットのEICASはきっとギア全輪についてクーリングが必要な黄色または赤色の警告を表示しているか。そんなテクニカルなことまで1枚で連想させてくれる作品だ。このような雨に負けずカメラを構え続け、よくぞそのメインギアを強調してくれた。
チャーリィ古庄
一目見て「これは入賞する!」と思った作品です。セントレアらしさを感じさせる、機体の角度と距離感。さらにメインギアの様子からは、かなり雨が強い気象条件まで伝えています。衝突防止灯が光るタイミングでシャッタースピード1/20という絶妙な設定。フレーミングも無駄がなく、完璧です。
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CANON EOS 90D
EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM 1/2500 f8.0 ISO400
WB:オート
備考:Adobe Photoshopにてサイズ調整、色調整
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:ゴールドカラーのFDAが黄金色の空に向かって離陸する様を捉えました。
ルーク・オザワ
遠くは海霧のような霞みだろうか。対岸の山そして海のグラデーションに対し、タンカーのカチッとしたシルエットの船影が画面を引き締めている。バランス的にエンブラエルの大きさがちょうど良かったと思う。
伊藤久巳
濃淡とも極端なトーンだが、それでいてどちらも黒くつぶれていない、明るく飛んでいない、写真の原則となる「色」を表現しきった。機体と大型タンカーをしっかりと切り離し、コクピットの窓をきちんと抜いた細かい配慮も見逃せない。
チャーリィ古庄
背景の山、タンカー、そしてエンブラエル機のバランスが絶妙です。完全には機体をシルエットにしない露出設定により、新たにセントレアに乗り入れを開始したFDAのロゴがプリントでもはっきり見えている点がポイントでしょう。
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CANON EOS R6 Mark Ⅱ
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Sports 1/640 f10 ISO1250
WB:オート
備考:Lightroomにてコントラスト、ハイライト、白レベル調整
撮影場所:セントレアホテル客室
ご本人コメント:雨上がりの早朝、朝陽を浴びて到着したベトナム航空の787 2機をすれ違いざまに撮影。展望デッキ開放前の時間で、ホテル客室ならではの構図を狙った。
ルーク・オザワ
見事なタイミングで仕留めましたね。海外エアラインの絡みとは、撮れそうでなかなか撮れない難しいショットながら、チャンスをモノにした作品。バックの海の色、地上の芝の色とも機体カラーが協調していて良い雰囲気だ。
伊藤久巳
ここはホーチミンでもない、ハノイでもない、もちろんセントレア。ここでこんなに綺麗な787どうしの並びを捉えたことには、ある種の感動さえ覚えた。難しい暗めのマーキングをきちんと浮かび上がらせているのもいい。
チャーリィ古庄
これは一体どこからの撮影? そのように思わせ、興味を引き立ててくれる作品です。色を出すのが難しいベトナム航空の並び。しかもこんなタイミングは二度とないかもという機体左右。手前にはターミナルの屋根を入れて、計算された画角が見事です。
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NIKON Z 6
AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR + マウントアダプター FTZ 1/3000 f9.5 ISO640
WB:6800K
備考:Photoshopで現像とサイズトリミング後、銀塩プリント出力
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:デッキ先端で夕方雲も良く、LCFも美しかった。
ルーク・オザワ
かつての常連で、ここ数年しばらく鳴りを潜めていた鈴木さんが帰って来た。スカイデッキ先端で出会った空は美しく、そこに絡んで来たのがドリームリフターというのもまた憎いシチュエーション。流石です。
伊藤久巳
ブルーとオレンジと、あとは無彩色だけでまとめた作品。機体にはしっかりと対面から太陽が当たって手前に向かって長めの影を落とすも、レンズはわずかに雲の陰に隠れて必要以上の逆光を避けられた最高の瞬間を活かした。
チャーリィ古庄
雲の表情、スカイデッキ先端の屋根、そして747LCFの位置。無駄のないフレーミングと露出はさすが確かな腕の持ち主ということを感じます。色温度の設定も自分好みにして完璧な仕上がりのプリント、さすがです。
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CANON EOS-1D X Mark Ⅱ
EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM + EXTENDER EF1.4×Ⅲ 1/1250 f8.0 ISO320
WB:太陽光
備考:Lightroom 使用、トリミング、彩度調整
撮影場所:セントレア沖
ご本人コメント:RWY18から低めに上がってくれたので背景も良い感じでした。
ルーク・オザワ
海から狙うのは意外と位置決めが難しい。どこからでも狙えるだけに、引きか寄りか、さらに北か南か。特にこの作品のようにバックに管制塔を入れてのエアボーンを狙うのは、運も味方にする必要があるのだ。
伊藤久巳
テイクオフローリングの長い777Fがエアボーンするポイントをしっかりと予測できた勝利だ。地上で撮影すればそれほど苦労のない構図だが、それを海上でやるとなると、どれだけの苦労が隠れているか。よくぞ捉えたと思う。
チャーリィ古庄
機体と管制塔の位置、圧縮効果を考えると、かなり沖からの撮影と思われ、うねる波と揺れる船の上で、エアボーンの位置を見極めて撮影ポイントを定めるという様々なハードルを越えた結果の一枚。フレーミングも完璧でお見事です。
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CANON EOS 5D Mark Ⅳ
EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM 1/1250 f8.0 ISO200
WB:オート
備考:Digital Photo Professionalにて現像。Photoshopでサイズ加工、色調整後、銀塩プリント出力
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:夏空が残る中、早めのエアボーンで狙った通りの構図に収まりました。
ルーク・オザワ
地上の緑、青い空に白い雲。そこに離陸する機影とまさに夏のイメージで捉えている。でも、この絵は簡単なようで実は難易度が高い。この位置で機体がここまで上がるというのは滅多にないことなのだ。
伊藤久巳
晴天順光は飛行機写真の基本。こうして気持ちよく737を捉えれば、きちんと作品になるという見本だ。機体が海面と白い雲の間に入ったことで安定した画面になった。雲の表情をよく見ていて、よくぞここまで引いて撮影した。
チャーリィ古庄
しばしばお伝えしているように「青空バックの順光写真」は意外と難しいもの。そのお手本のような作品です。カレンダー作品としても選びやすいクリアな大気の感じ、緑の芝、飛躍を感じさせるテイクオフ。雲の表情や対岸まで見渡せる雰囲気もいいですね。
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SONY α1
FE 16-35mm F2.8 GM 1/15 f2.8 ISO320
WB:オート
備考:Lightroomにてシャドウ補正、ノイズ除去
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:セントレア盆踊りの提灯と飛行機を一緒に、提灯が白飛びしないよう慎重に撮りました。
ルーク・オザワ
セレクトの段階で「お! 夏だなぁ」と思わせてくれた作品。久々に再開されたスカイデッキ盆踊りの要素をスポットにいる機体と絡めたのが良かった。避けてしまいがちなワイヤーフェンスも、上手いこと赤みがかった色合いで表現したのも良い。
伊藤久巳
盆踊り大会と機体とのコラボをなんとかして見せてくれた。地上機を撮影する時、提灯を入れればフェンスのワイヤーが邪魔になるが、機体の手前のワイヤーに光線がなるべく当たらない角度を探して撮影したのだと思う。
チャーリィ古庄
4年ぶりに開催されたセントレア盆踊りの際に会場を彩った提灯。通常の撮影時よりも高い目線から夏らしい提灯をバランス良く配し、JALの777-200ERの最後の夏を演出。難しい露出を適切に設定されている点も評価したいです。
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SONY α7R IV
FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS + SEL20TC 1/1250 f14 ISO2000
WB:太陽光
備考:DxO PhotoLab 6にて、傾き修正、ノイズリダクション、ClearView、色調整、明るさ調整、現像。PhotoshopにてA4サイズ調整、プリント
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:エンジンのブラストが強調される、とても好きな瞬間です。思いっきり望遠で撮りました。ブラストを強調するため、あえて翼端は切りました。
787のランウェイ36オンファイナル。左右のエンジン後方には綺麗にブラストが伸びる。パワーをアイドルまで下げ、わずかなコントロールホイールの動きでフレアをかけるコクピット。その緊張感がしっかりと画面に表現された。トータルで1200mmに迫る焦点距離。ピントはもちろんだが、この構図をきちんとモノにしたことに拍手を送りたい。(伊藤久巳)
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CANON EOS R6 Mark Ⅱ
EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM 1/1000 f7.1 ISO125
WB:太陽光
備考:彩度アップ
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:ナショナルとポーラーのところで虹、フォトコンに出すしかない(笑)
ルーク賞はこれだなと思って名前を見て驚いた。数年前から入賞している作品はいつもセントレアの沖からのショット。職業は漁師さん。なので陸からのショットの応募にビックリしたのだ。それもジャンボの向こうに太く美しい虹。類似作品の応募は無かったので、もしかしたら独占撮影だったのか、今度会ったら聞いてみよう。なので、選ぶしかない(笑)(ルーク・オザワ)
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NIKON Z 9
銘匠光学 TTArtisan Tilt 50mm f/1.4 1/40 f2.8 ISO1600
WB:2850K
備考:Lightroom Classic 12.4自動補正
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:ピントの位置とTILTの影響範囲で違う写真になってしまうので、セッティングが難しい。
ティルトレンズ、しかも銘匠光学のレンズを使用するなど凝った作品です。ティルトレンズを使うことにより、いつものセントレアの風景がジオラマのようになり別世界が表現されていますが、作者コメントには、ピント位置と影響範囲のセッティングが難しいと書かれていました。この一枚にたどりつくまでの苦労が伝わってくる作品です。(チャーリィ古庄)
応募3回目までの方
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SONY α700
SIGMA APO 135-400mm F4.5-5.6 DG 1/800 f9.0 ISO160
WB:オート
備考:トリミングのみ
撮影場所:りんくうビーチ
ご本人コメント:夕方のセントレアに着陸するドリームリフターをヤシの木の間から撮影しました。機種、撮影地ともにセントレアらしいカットです。
南国の夕日にLCFというイメージは選者一同目を引いた。だが、その後に出てきた今回の優秀賞である各務 “彰恭”さんの作品はさらに完成度が高かった。その時気が付いたのが同姓であること。なんと親子だったか? 互いに立ち位置を変えてのW入賞、おめでとう。
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NIKON D500
AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR 1/1000 f8.0 ISO140
WB:オート
備考:OM Workspaceにて、かすみ除去
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:777-300ERが羽田に向け青空へ力いっぱいに上がりました。JALの777は初めてセントレアで見ました。
777-300ERの伸びやかなボディを余すところなく捉えた。短距離線の大型機がエアボーンした瞬間を撮影すると、ボディに何も障害物がかからずに撮影できるのがスカイデッキの特徴で、それを大いに活かして作品にまとめた。
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NIKON Z 8
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S 1/320 f8.0 ISO100
WB:オート
備考:Photoshopでサイズトリミング、銀塩プリント
撮影場所:スカイデッキ
ご本人コメント:雨が止んで水煙を上げ逆噴射するのが目で観られる、すごい!
逆噴射の音まで聴こえてきそうな一枚です。雨上がりで滑走路に溜まった雨水、それが強力なエンジンリバースにより吹き飛ばされるシーンを見事に捉えています。うっすらと対岸が見える背景から、撮影時の気象条件まで伝わる作品に仕上げています。
総 評
ルーク・オザワ
コロナ禍が明けたこともあってか、応募作品のレベルの高さに驚いたと同時に嬉しかった。作品のレベルは元より、入選作品により構成するカレンダーの事まで考慮してのセレクトなので、季節感やセントレアらしさが決め手となる。いつもながらの3人の選者により、いつになく円満に入賞作が決定したことを報告する。それでも、2時間は要したが。
伊藤久巳
機体を晴天順光、アップで捉えた応募作品が散見され、ぼくには楽しい審査となった。撮影場所が限定される中だが、今後もぜひ機体アップ作品を忘れないでいただきたい。技術面では、レタッチでの色のオーバーコントロールが減ってきたのはいい傾向だが、ハイライトの白飛び、シャドウの黒のつぶれなどは依然として要注意だ。今年も多くの秀作の応募、ありがとうございました。
チャーリィ古庄
コロナ明けで空港に活気が戻った今年。作品からも皆さんの熱意や撮影時の苦労を感じ、明確な狙いをもって撮られた一枚一枚に感銘を受けました。私個人的にも、他の空港では撮りづらいDHLエアUKや天津航空、山東航空の貨物機などの魅力ある被写体を狙うなど、スカイデッキでの撮影を楽しんでいます。表彰式で入賞者の皆さんとお会いできることを楽しみにしています。